出版社内容情報
なんとか戯作者として一本立ちしたい重田貞一(のちの十返舎一九)は、こんどは猫探しを頼まれてしまう。大店で可愛がられていた猫で、その姿は銀色に輝くという。だが、なぜか猫捜しの陰に盗賊の存在がちらつきはじめるのだった。貞一を恨んで命を狙う“鵺文”の襲撃も続いていた。北町奉行所との連係も鮮やか、心底スカッとする痛快時代小説。好評シリーズ第2弾が早くも発売!
木村忠啓[キムラ チュウケイ]
著・文・その他
内容説明
戯作者として一本立ちしたいと奮闘努力する重田貞一(のちの十返舎一九)のもとへ奇妙な依頼が舞い込んだ。大店の番頭が可愛がっていた猫を捜してほしいという。時に毛並みが銀色に輝くという珍しい猫を、岡っ引の岩徳と町じゅう廻って捜し始めた貞一だったが、やがてこの依頼には何か裏があると気づく…。気骨ある若き主人公の姿と江戸の勧善懲悪が小気味よい、好評シリーズ第2弾!
著者等紹介
木村忠啓[キムラチュウケイ]
1961年、東京都新宿区で生まれ、豊島区で育つ。学習院大学経済学部経済学科卒業。2016年「堀に吹く風」(単行本刊行時に『慶応三年の水練侍』と改題)で第8回「朝日時代小説大賞」を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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真理そら
21
タイトルの割に猫の登場が少ないのが残念だ。猫とは思えない程芸達者な猫のはずなのに…。貞一(十返舎一九)は相変わらず戯作者として悶々としているし、捕物でもピシッとしたところが少ない。十返舎一九は大阪に妻子を置き去りにして江戸に出ているので、年齢的にももう少し大人っぽい雰囲気でいてほしい気がしないでもない。2018/11/15
onasu
15
十返舎一九(重田貞一)の若かりし頃を描いた第二弾。小間物屋で飼われていた猫を探すとは十手を預かる身に相応しいか首を傾げる事案だが…。 まだデビューもしていないが戯作で食っていくとの夢、貞一を仇と狙う者の暗躍、そして本丸の捕り物、岩徳とお峰、奉行を始めとした面々、蔦屋重三郎や他の戯作者たちも交えて、本作もあちこち寄り道しながらも留まることなく話しの運びは上手い。 ただ前作の話し、なぜ重三郎はわざわざ貞一を訪ねた上で厚遇するのか。続編で言及のあるものと思っていたが、先に触れられた以上のことはないのかな。2018/12/27