内容説明
火盗改の捕縛を逃れた群盗の頭目、卒塔婆の辰五郎を始末するために芝三田に向かった柳左近と琴引又四郎だったが、左近が仕留めた相手は別人だった。どうやら本物の辰五郎は小伝馬町の牢に入れられているらしいと思われた矢先、その小伝馬町で火事が起こる。闇の組織「帳尻屋」が、今日も江戸の闇に巣くう悪に引導を渡す。著者渾身のシリーズ第三弾。
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年新潟県生まれ。早稲田大学卒業後、11年の会社勤めを経て文筆の世界へ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
55
帳尻屋始末「相抜け左近」3巻。やっとシリーズ3冊目にして、義を貫くため、琴引又史朗さん封印している紙縒りを切りました。柳左近さんのつらい過去も明らかに、今後市井でどう暮らしていくのか志津さんが心の支えになっていくのか次巻が楽しみ。2014/05/24
ベルるるる
19
柳左近の悲しい過去がわかり、だぼはぜの正体もわかった。又四郎はついに剣を抜き、人を殺し陥れてものうのうと生きている悪人を成敗する。これで人任せではない帳尻屋の一員となった。2019/04/24
ツキノ
14
【義をみてせざるは勇無きなり】2014年3月発行。師走から弥生にかけて。又四郎にとっては大きな変化があった。「相抜け左近」だぼ鯊の名は長岡玄場蕃。柳左近は自分が果たせなかったことを早見縫之助に託したい。左近の過去。北町奉行の曲淵甲斐守「柳よ、ようやった」。「佐那姫受難」又四郎の故郷母里藩の姫が拐かされる。しかし四人の賊を切ったのは姫と腰元の梅だった。又四郎は故郷で佐那姫から「あれが本物の剣士じゃ」と言われたことがある。「おぬしも因果の糸車から逃れられなくなったというわけか」。「本懐」の3編。ついに!2024/11/04
あかんべ
7
寡黙な柳左近の秘密が解る。抜かずの叉兵衛が遂に抜いた。主筋の姫の危機。ここで抜かずば武士では、いや男じゃないでしょう。一旦抜くと理想の父を重ねる善右衛門の無念を晴らすため抜ける。けれどすっかり相棒となった左近と真剣勝負での相抜けは出来ない気がする。2014/04/27
真理そら
5
又四郎が抜いてしまったからとりあえずシリーズは一旦終了なのね。それにしても釣り糸使ったり、歯医者使ったり、痛さが想像できる手段はちょっとキツイ。忠兵衛がイケメン設定なのをつい忘れがちになのはなぜだろう。2017/11/05