内容説明
日本橋の高札場に年端もいかぬ子供が一人泣きながらしゃがみ込んでいた。臨時廻り同心の白縫半兵衛は、新吉と名乗るその子供が住む小舟町の長屋を訪ねてみるが、そこには新吉の父初五郎が腹を刺されて倒れていた。初五郎を刺したのは一体誰なのか、高札場に新吉を残して姿を消した母親おとよの行方は―。“知らぬ顔の半兵衛”の粋な人情裁きを描く人気シリーズ第十八弾。
著者等紹介
藤井邦夫[フジイクニオ]
1946年、北海道旭川生まれ。テレビドラマ「特捜最前線」で脚本家デビュー。以後、刑事ドラマ、時代劇を中心に400本以上の作品を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ソババッケ
12
シリーズ18作目。新シリーズが出たらしい、残りを読んでしまわねば。例によって連作4編。「落し物」では葵の紋の印籠が登場する。大名紋章図を見ると意外と多い、目についただけでも20以上の藩が使っている。ちなみに地元豊後、松平家の2藩(府内、杵築)は葵紋ではない。この作者ほど忠実に江戸切絵図を使う物語の例をほかには知らない。ネットで簡単に切絵図を開くことができる時代、世の中変わったねー。半兵衛や半次、鶴次郎の足跡をたどるのに、1話で3~5の切絵図を開けばこと足りる。地理を確かめながら読むのもまた楽しい。★3.32017/06/28
沼田のに
2
小説には2種類あって、一つは普通の文章。もう一つは段落だらけの文章。このシリーズもそうだが、お手軽の時代小説にほとんどの文章が段落でページの下がスカスカで活字がページの半分しかないような字の分量になっていて、これが読むとスピード出して読める。内容にスピード感があるわけじゃないけど。この本ってそんな本。5/102014/09/20
あかんべ
2
相変わらず知らん顔がチーム白縫の活躍で解決。個人的に好きな雲海坊の活躍が少ないのが残念。2012/11/22
ゆ〜や
2
吟味与力の大久保は口うるさいが、旗本や大名などが事件に絡んでるときでも、ごまかさずちゃんと町民のために怒りを感じることが出来るいい人だなぁと再認識。まあ、怒るだけで半兵衛に丸投げだけど(苦笑)「鼻つまみ者(タイトルうろ覚え)」は、どんなにイヤなヤツでも、やはりフと思うことがあるんだなぁと。やはり人の親は親。2012/09/19
zuccalove
1
自分勝手な悪人が多い。 半兵衛さんの知らん顔が本当にいい。2018/06/16