内容説明
南町奉行所同心八巻卯之吉の名を騙り、武芸達者な侍を斬り殺す事件が頻発。奉行所内で嫌疑をかけられた卯之吉は、閉門蟄居を言い渡され、吉原での大尽遊びもできず困惑する。下手人の狙いは何か?裏で操る者がいるのか?敵の正体を暴くべく荒海三右衛門一家が奔走する。大好評シリーズ第十弾。
著者等紹介
幡大介[バンダイスケ]
1968年、栃木県生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒業。テレビ局嘱託職員、CM製作会社に勤務。1995年、文筆業に転じフリーライターとして活躍。2008年、「天下御免の信十郎」シリーズ(二見時代小説文庫)で時代小説作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sin
59
同心八巻を騙る侍狩りは中々の秘策だが、肝心の卯之吉が動じないので、いまや定番化した悪党の図り事からの悪党の疑心暗鬼による自滅パターンかと思いきや、兄を殺害された田舎侍が仇討ちに猪突猛進舞い込んで来て物語を盛り上げる。忖度知らずの奮闘はやがて偽物を暴きたてて、またもや卯之吉一件落着へと導かれていく…。2020/04/06
yamatoshiuruhashi
54
大富豪同心シリーズ10作め。剣豪同心八巻=卯之吉を陥れるために偽同心と偽幇間が吉原帰りの侍を切ることから物語は始まる。この殺された弟の単純さ、直情径行さ。上司の身になって読めばイライラとしてくるが、まあ物語だと思えば話の噛み合わなさが面白い。国許で許可も得ずに江戸に向かえば脱藩者として重罪人となり江戸屋敷に寄ることが出来ようはずもないが、その辺、重々承知の作者はそれなりに気を遣いつつ江戸滞在の理由を作る。その弟・新二郎の行動になんとなく「焼津の半次」を感じてしまう。今回も卯之吉は何にもせずに事件解決。2023/09/02
ベルるるる
35
卯之吉が何より大事な荒海ノ三右衛門が今回も、「座敷に飛び込んで来て、空中で両膝を畳んで、正座の形でドンと着地」して、滂沱の涙で、「旦那に着せられた濡れ衣はこの三右衛門が晴らしてご覧にいれやす」と登場。子分を総動員して、ちゃんと犯人を見つけ出すから凄い!それなのに、「さすが八巻の旦那」ってなる。勘違いの達人だわ^^ 2018/11/07
とし
33
今回は、廻りが見えない猪突猛進型の田舎侍新二郎が主役のようで、卯之吉さんが霞んでしまってたかな~て感じの「仇討ち免状」でした。いろんな準主役が出てきて楽しいです次巻も楽しみ。2013/11/10
はにこ
32
卯之吉に扮した辻切りが出現。濡れ衣を着せられた卯之吉。でもそこは三国屋や大名の力で押さえつけ。ホントに卯之吉何もしてないなww今回のゲストは兄の仇討ちをするために田舎から出てきた新二郎。猪突猛進タイプで制御が利かないけど憎めないキャラクターだった。今回も荒海ノ親分大活躍。あっ、銀八も新二郎の荒治療に一役!2021/06/06