内容説明
徳川竜之助の宿敵柳生全九郎が何者かに斬殺され、竜之助との戦いをあきらめた示現流の達人中村半次郎も京都へ戻る。左手の自由を失った竜之助の前に、風鳴の剣打倒を狙う新たな刺客は現れるのか?そんな時、顔が犬で身体が猫という珍妙な幽霊が現れ、江戸の町を騒がせる。大好評シリーズ第十一弾。
著者等紹介
風野真知雄[カゼノマチオ]
1951年、福島県生まれ。立教大学法学部卒業。93年「黒牛と妖怪」で第17回歴史文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タツ フカガワ
41
4話の連作はどれもイマイチ。それよりも“人斬り半次郎”の異名を持つ薩摩藩士中村半次郎が印象に残ったシリーズ11作目でした。もともと倒幕の前に葵新陰流の福川竜之助を血祭りに上げようと江戸へやって来たのだが、偽薩摩藩士たちとの争いでは竜之助とともに闘い、大ケガをした竜之助が暴漢たちに襲われたときには撃退したりなど、これまで本来の目的とは真逆の行動をとってきた半次郎。さらに本作では尾張柳生新陰流最強の剣士で全九郎を倒した“雷鳴の剣”の情報を竜之助へ送ってくる“人たらし半次郎”に好感。2024/12/10
バレンタインデーが無縁になって数年経過した寺
27
前巻を読んでからずいぶん間が開いたので、すっかり忘れてしまっている部分もあり、馴染むのに時間がかかった。相変わらずの捕物とレギュラー陣。敵の中村半次郎が良い役になってきている。主人公・竜之助の風鳴の剣に対抗する、尾張徳川家に伝わる雷鳴の剣登場。この事実を倒幕に利用しようとする西郷隆盛。竜之助の優しい人柄には惹かれるが、正直飽きてきた(笑)。2014/07/02
ベルるるる
19
薩摩の中村半次郎が、二つの秘剣の対決を書いた古文書を発見。2016/08/08
文庫フリーク@灯れ松明の火
19
左手が不自由になったけれど頭脳と人柄は健在。変わらず肩の力を抜いて読める。風野さん、次はどんな技を竜之助に使わせるのか。風鳴の剣と雷鳴の剣の対決も楽しみだが、その前に師弟対決。どんな趣向が次の巻で待っているのだろう。2010/08/03
椿
8
左手を上手く使えないままの捕物。ドキドキしたよ〜。次は、師弟対決なの〜ホントに?早く続き読まなきゃ。2015/02/03