内容説明
小さな借宅に住み、ホームレスにも似たボランティア僧として生きながら、良寛は、なぜ後世に名を残すほどの人望があったのか。あの封建制の不自由な時代に「自由な生きかた」を死ぬまで押し通し、どの組織にも所属せず、地位や名誉や金品を貪り求めることなく悠々と、そして人に愛されて生きた良寛のことばに、私たちはいまこそ耳をすませてみたい。
目次
第1章 閑に遊ぶ―捨てて生きれば豊かさがもたらされる
第2章 俗世を離れる―今を受け容れ謙虚に生きて安堵を得る
第3章 簡素に暮らす―見栄を張らず本質を大切に生きるスローな毎日
第4章 争わずに克つ―勝ちに執着すれば新たな不安が生まれる
第5章 書芸は仏なり―多量の書物からは悟りを得られない
第6章 人を恋う―求めすぎる愛だから心が益々さびしくなる
第7章 死に臨む―後悔なく生を全うし自分の生きた証を残す
著者等紹介
松本市壽[マツモトイチジュ]
1936年、鳥取県生まれ。日本大学法学部卒。春秋社など出版社で40年を書籍編集に、後半の20年間は良寛を中心とした編集プロデュースに重心をかける。現在は、全国良寛会常任理事。執筆、取材、研究、講演等で活躍する一方で、有機栽培の野菜づくりにも精をだす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
団塊シニア
46
世のため人のために奉仕する生き方をした良寛の多彩なメッセージが綴られてる。これで満足だとしることが本当の豊かさ、無事であるほど幸せなことはない等当たり前のことだが現代に通じるメッセージが含まれてる。又読書について言及しており、読書の効用は問題意識を広げたり深めたりすることができる、そして作者の言葉であるが目前にいない人と対話できる、亡くなった古い時代の人の考え方を知ることができる、生活や文化が異なる外国の人の物語も読むことができる、共感できる内容です。2013/10/13
かず
21
良寛とは、江戸時代後期、越後国の禅僧です。名筆家、歌人としても有名です。出雲崎町の名主の跡継ぎに生まれながら、当時としては遅い22歳にして出家し、備中国の円通寺にて12年修業、印可を受けます。しかし、住職にはならず、出雲崎からは遠くない国上寺(現燕市)の庵を借り受け、托鉢僧として生きるのです。本著は全国良寛会の重職の方が書かれており、一般者向けの読みやすい本です。良寛さんのように自由に生きたい人にとって、良い道しるべになるのではないでしょうか。老境での貞信尼との恋が一層魅力に花を添えます。2020/06/27
れこやん
3
良寛の人生論というより良寛ファンクラブ会長の人生論かな、主に読んでいる小説が読み疲れた時に少しだけ読む感じで細切れにでもわかりやすい内容でした、なんとなく気になったので手にとった本ですが、良寛を気軽に知るにはいい本でした、ただ自分が今このような自己啓発な本を望んで無いのか心には響かなかった、時期が悪かったかも、一応読んだよ。2016/08/23
Hiroki
1
mybook ★★良寛そのものでなく、著者松本市壽さんの良寛観への反発がそこここに2020/05/08
0363
0
再読2016/05/31
-
- 和書
- しらゆきひめ