内容説明
見習い同心の暮らしにもようやく慣れた御三卿・田安徳川家の十一男の徳川竜之助。自由な市井の生活を満喫していたが、八丁堀近くにある湯屋で老人が刺し殺されるという事件が起きた。下手人の探索をまかされた竜之助は、難事件の謎に迫る。丁度その頃、新陰流の正統は吾にありと、葵新陰流の真髄を受け継ぐ竜之助を斬れとの藩命を受けた肥後細川藩の刺客三人が、江戸に来ていた。好評シリーズ第二弾。
著者等紹介
風野真知雄[カゼノマチオ]
1951年、福島県生まれ。立教大学法学部卒業。93年「黒牛と妖怪」で第17回歴史文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タツ フカガワ
45
湯屋の浴槽で起きた刺殺事件、大店の息子の誘拐事件、芝居見物客の毒殺事件など、シリーズ2作目も見習い同心ながら次々と事件を解決していく竜之助。そこに新陰流の正統を争うべく肥後熊本藩から3人の刺客が現れる。面白かったのは剣戟のなかで遣われる“風鳴の剣”(ちょっと辻堂魁『風の市兵衛』を想起)、それに刺客たちが意外に好人物だったこと。終章で竜之助の生母がほのめかされるが、まさかの人物だった。2024/11/04
ベルるるる
30
毎晩、べらんめい言葉や十手をかっこよく使う方法の練習を欠かさない竜之介はかわいいし愉快。徳川家は沈みゆく太陽だと理解している若さまとしての竜之介の複雑な思いや、剣術家として非情な戦いを挑まれてる虚しさを、そのユーモアが救っている。2016/06/20
baba
20
剣の腕が立ち、次々と事件を解決する若さま同心の徳川竜之助。相変わらず調子のよい話しであるがつい、読んでしまう。2015/03/17
calaf
15
なるほど、腕は立つが、人情的には強気になりきれない刺客。彼らの運命は・・・それにしても若様、強いなぁ...さすが選ばれた人???2013/02/06
りこ
14
知り合いのとこで借りたら一巻が欠けてて二巻から読む羽目に(汗)でも普通に読めました。この人の時代小説は何となく軽い気がします。多分人物描写がさっぱりしてるせいかな?2016/03/07