内容説明
南町奉行・小栗忠順の計らいで通常考えられないことが…。市井の人々に接し、磨いた剣の腕で悪を懲らしめたい一心で、御三卿・田安徳川家の十一男、徳川竜之助が定町回り同心見習いへ。小銀杏髷、着流しに羽織の颯爽とした竜之助だが、若さま育ちのせいか、やることはどこかトンチンカン。先輩同心に邪魔者扱いされながらも事件を解決していく。書き下ろし長編時代小説シリーズ第一弾。
著者等紹介
風野真知雄[カゼノマチオ]
1951年、福島県生まれ。立教大学法学部卒業。93年「黒牛と妖怪」で第17回歴史文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タツ フカガワ
48
倒幕の気運が高まる幕末期。南町奉行所の定町廻りの見習い同心福川竜之助、じつは当代田安徳川家の十一男で、これを知っているのは南町奉行の小栗忠順だけ。その竜之助が鮮やかな剣技とともに奇妙な事件を次々と解決していく捕物帳かと思ったら、終盤、いまは廃れた江戸柳生新陰流、じつは秘伝の技がひそかに竜之助に受け継がれていたという剣豪小説の色合いも濃くなる。次作が楽しみ。2024/11/03
ベルるるる
34
徳川の終焉が見え始めた幕末。田安徳川家の11男の竜之介が同心になるという荒唐無稽な設定・・・なんだけど、これが読み始めたら面白くてあっという間に読了。おそばの食べ方も知らないし、色っぽい女中のやよいの作る庶民の食事のおいしさに驚くかわいい竜之介^^ 同心らしく自分を「おいら」と言う練習で、激しく赤面したりもする^^2016/06/19
baba
28
田安家の若さまが同心に、そんなうまくいくわけないと思い読んでいると、颯爽として剣も強く、更に幕末の時代設定のせいか、妙に馴染んで楽しそう。これなら次も楽しみ。2016/02/28
baba
23
田安家の若さまでありながら、憧れの同心になった竜之助は、瞬く間に巻き舌、べらんめいの言葉を習得して、すぐ市井に馴染む。サラッと読める。2015/03/12
むつこ
21
若さま同心シリーズ第1弾。やはり風野さんの作品は軽く読めて楽しい。市井の生活にあこがれる徳川家の11男の主人公・竜之助が八丁堀の同心になって自由に動き回ります。2015/02/24