内容説明
桜が散った享和元年の江戸に、青羽二重の袖を翻して現れた若侍がいた。判っているのは、江戸随一の一刀流中西道場の門弟ということだけ。颯爽とした容姿に無垢な笑顔、そのくせ人を食ったような性格をあわせ持ち、スリの弥太、浪人矢島平四郎とともに、思わぬ奇策を弄して次々に悪を断ってゆく。痛快無比の傑作時代活劇見参。
著者等紹介
高橋三千綱[タカハシミチツナ]
1948年大阪府生まれ。サンフランシスコ州立大学、早稲田大学をいずれも中退の後、新聞記者となって活躍。1974年『退屈しのぎ』で第17回群像新人文学賞を受賞、翌年から執筆活動に専念し、1978年『九月の空』で第79回芥川賞を受賞。ゴルフなどの漫画の原作でも活躍、時代小説も手がける
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感想・レビュー
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タカシ
7
中西道場の若侍右京乃介がスリの弥太と浪人矢島と助太刀していくが…。キャラはいいんだけど、どの話も最後が雑というかアッサリしすぎかな。2017/08/28
nyaboko
6
お話の展開がすごく不思議な小説。始まりが唐突なら終り方も唐突。そして主人公の正体は不明のまま、けれど台風のように本人はまるで動じず周囲が散々振り回される。あと何故こんなにホモいのかww 詰まらないと一言で言うにはもったいないんだけど、他の人に勧めるには渋る本かなぁ。おもしろか、というと…途中おもしろく盛り上がるんだけど、筆者が続きを書くのに飽きちゃった感がある。2012/07/23
sena
5
主人公が善人なのか悪人なのか、正体もわからないまま。面白いようなおもしろくないような、でもやっぱり面白い。北原さんの解説、良かったです。2013/10/20
ひかつば@呑ん読会堪能中
4
2を先に読んでいたが、やっと1を入手し読了。何というかnyabokoサマの「すごく不思議な小説」がぴったりあてはまるお話ですな。主人公は江戸において思いっきり浮いており、なかなか時代物ではお目にかかれないとびきり面白い存在。まわりもいろいろ出てくるが主人公にかき回されたままで話が終わってしまった。もいちど2を読みなおすことにするが、この話、結構好きです。2012/08/27
雨巫女
4
久しぶりに痛快時代劇読んだ。面白かった。2010/05/02