出版社内容情報
男性は孤独に弱くてひとりぼっちでいると生きる気力を失い、おかしくなってしまう──売れない小説家兼雇われコンビニ店長の春来は、SNSでややバズった投稿を見た途端にずっと一人の生活に耐えられるかどうか不安に襲われる。同じ年代の元クラスメイトや、同僚や知人もそれぞれ抱えているものがあった。『死にたいって誰かに話したかった』の著者がおくる、不器用な人間のいきざまや繋がりを丁寧に描いた長篇。
内容説明
男性は孤独に弱くひとりぼっちでいると生きる気力を失い、おかしくなってしまう―売れない小説家兼雇われコンビニ店長の春来は、SNSで流れてきた投稿を見た途端不安に襲われる。恋人も人生の目標もない。家族をつくる未来も見えない。俺は生きる気力を失ってしまうのか?周りを見ると、同僚や友人たちも中年独身ならではの抱えるものに悩まされていて…。不器用な人間のいきざまや繋がりを丁寧に描いた長篇。
著者等紹介
南綾子[ミナミアヤコ]
1981年愛知県生まれ。2005年「夏がおわる」で第4回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mike
80
「未婚男性の平均寿命は極端に短い。男性は孤独に弱くて、一人だと気力を失って精神的におかしくなるから」タイトルはこんなツイートを目にしたアラフォー独身男性のつぶやきである。テーマは一人暮らしの中年男女に纏わりつく孤独と将来への不安について。でもこの頃思う。結婚していても子供がいても、今の時代、この先一人になる可能性は十分あるわけだしな。友達とかこれという楽しみを持ってる人が強いと思う。やっぱ、この時期はダメだな。オリンピックに気を取られて本に集中できずぼんやりした感想しか浮かばない(*´Д`*)2024/07/31
ゆのん
52
『未婚男性の平均寿命は65歳位で極端に短いんだって。逆に女性は未婚も既婚も関係なく長生きなんだって。』というある意味衝撃的な文章で始まる物語。40代から50代にかけての10年間に渡る4人の男女の物語は誰もが経験しそうに思えたり、稀なケースに思えたり、この先に起こるかもしれないと思ったりするが、私個人としてはとても身近な話だった。日常を楽しくするも、つまらなくするも自分次第。丁寧な暮らしは満足感を与えてくれるし、そんな自分を好きになれる。気がつかないだけで幸せは存在しているのでは。色々な勇気をもらった。2024/04/03
もぐもぐ
45
四十代の独身男女四人、一人でいることに不安や寂しさを感じて怖くなってしまう気持ちがリアルに伝わってくる話でした。でも、パートナーや子供がいてもいつ一人になるか分からないしなー、って読みながらぐるぐる考えてしまった。そんな時、この話のような適度な距離感で支え合える友達がいたら心強いですね。色々しんどいことも出てくるけど、明るく終わってくれてホッとしました。やっぱり友達と推し活は大事。2024/09/13
b☆h
41
寂しがりだけど結婚には怯んでしまう春来、春来の元カノで学生の時に目指してた玉の輿にのった夏枝、春来の職場で働く真冬、真冬の友達の秋生。4人それぞれが抱える孤独や絶望を描いた作品。30代後半-50までを描いてるから、その不安がとても身近に感じて怖くなる。誰にでも波があって当たり前なんだと思えた。4人の関係性はとても理想的だけど難しい…。オオルリ流星群の4人を思い出す話だった。孤独や不安ってやっかいだな…。2024/11/13
mayu
29
中々にインパクトの強いタイトル。春来、夏枝、秋生、真冬、40代独身男女の物語。勢いで何かをやれる歳でも無く、かといって身体が動かない訳でもない、将来の不安は絶えず浮かぶそんな世代だよなぁと思う。彼、彼女らが向き合うのは中々にヘビーな現実。中でも真冬の人生には胸がギュッとなるけれど、それぞれ自分に向き合って人生を楽しむコツみたいなものを見つけられて良かった。時には腹が立ち鬱陶しく感じる関係性だけど、こんな友達がいたらなんと心強いだろうと思う。同じ40代には刺さるだろう一冊。2024/08/01