出版社内容情報
野球に青春を懸ける男子高校生の勇実真赤は、ある日、後天的に性別が変化していく病気・ASMに罹患してしまう。日ごとに変化していく身体だけでなく、心にも徐々に変化が生まれ、身体と精神の不一致に葛藤する真赤。それまでの人生で思いもしなかった経験をし、様々な試練を乗り越え、変わりゆく日常の果てに真赤が決意する道とは――？ 全く新しい形で男女の自意識の違いを切り取る、青春成長譚！
内容説明
野球に青春を懸ける男子高校生の勇実真赤は、ある日、後天的に性別が変化していく奇病・ＡＳＭに罹患してしまう。日ごとに身体が変容していくだけでなく、心にも徐々に変化が生まれ、身体と精神の不一致に葛藤する真赤。それまでの人生で思いもしなかった経験をし、様々な試練を乗り越え、変わりゆく日常の果てに真赤が選択する道とは―？全く新しい角度から男女の感覚の違いを切り取る、青春成長譚！双葉文庫ルーキー大賞第５回受賞作！
著者等紹介
夏凪空［ナツナギソラ］
『虹のような染色体』にて第５回双葉文庫ルーキー大賞を受賞しデビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kou
29
面白くて、一気に読んでしまった。ASM（後天性性染色体変異）という架空の病気で、男性から女性に、徐々に性転換していく高校球児の物語。読んでいて、ホントにある病気なのでは？と錯覚しそうになった。周囲の優しさと理解で成り立っていたが、周囲が無理解だったらと思うと、ちょっと恐ろしくなる。2022/11/03
まる子
26
ASM（後天性性染色体変異）は「男→女、女→男」に性別が完全に変わる。性転換とは違い本当に。ASMを発症した野球部の真赤。自分の体が変わるのを自分が自分でなくなる感覚、それに戸惑いながらも受け入れるしかない現実は真赤の心理が描かれている。カミングアウト、友達、親、先生と、彼（彼女）に関わってくれた人を大切にしながら、女性として成長する。LGBTQと似ているようで違うけれど、この設定は初めて。お借りした本だけど欲しい。架空の病気だけど、学校にも入れたい。第5回双葉文庫ルーキー大賞。2022/08/28
こばゆみ
16
後天的に性別が変化していってしまう奇病にかかった高校球児の真赤が、徐々に女性へと変わってしまう自分自身と向き合いながら、なんとか野球を続けていこうとするお話。設定自体も突飛だけれど、何よりそんな奇病に、野球部の顧問も主治医の友人もかかっているという時点で、なんだかご都合主義だなぁと感じてしまったのでした…(^_^;)。2022/09/21
alleine05
8
文章は読みやすく、登場人物の心情を丁寧に描いていて良かったと思う。しかし思ったよりもしんどい描写の多い作品だった。そりゃ急に性別が変わることになったらいろいろ大変なことだってあるだろと言われればそれまでだが。2025/01/08
くらっくす
8
流行ってきたTSものだが、徐々に進行する性別の変化に葛藤し、思春期ならではの反応に苦悩する描写がしっかりしていた。野球部の投手で身体能力の変化が投球に如実に表れ、読み手に伝わりやすい。身近に性に関わる人が揃っているのは小説のご愛嬌として、変化することや失うことへの恐怖、性別変化による曖昧で不安定な視点変化に引き込まれていった。やはり生きにくさは残るが、自身を憐むことをやめて、懸命に進もうとする姿に勇気づけられた。そして誰もが悩んでいること、自分だけが悲劇のヒロインではないことを忘れないようにしたい。2024/02/25
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