双葉文庫<br> 花電車の街で

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双葉文庫
花電車の街で

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  • サイズ 文庫判/ページ数 344p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784575524963
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

昭和30年代の名古屋の繁華街・大須。何でもありのごった煮の街で終戦直後に生まれた碧は母親と二人、つましくも幸せな日々を送っている。将来、映画監督になることを夢見て、アルバイト代で映画館に通う碧。そんなある日、一人の男が母娘の前に現れる――。街を行き交う市電の優しい揺れに乗せて描く、少女のゆるやかな成長物語。

内容説明

戦後の高度経済成長が始まった昭和30年代。碧は母と二人、名古屋の繁華街・大須で暮らしている。娯楽施設や商店がひしめき、個性的な面々が集うこの「ごった煮の街」で、アルバイトしながら足繁く映画館に通う碧の夢は将来、映画監督になること。人々が、つらいことを一瞬でも忘れるような映画を作りたい―。そんな碧の前にある日、一人の男が現れて…。街の移ろいや大人たちとの交流を通して描く、瑞々しい成長物語。

著者等紹介

麻宮ゆり子[マミヤユリコ]
1976年埼玉県生まれ。2003年、小林ゆり名義にて第19回太宰治賞受賞。13年「敬語で旅する四人の男」で第7回小説宝石新人賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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しんごろ

138
時は戦後、高度経済成長が始まった昭和30年代。名古屋市中央区大須が舞台。母の信子と二人で暮らす碧。貧しいながら、映画監督を目指す。時にはイジメられ、親と衝突したりしながらも、碧が人としての成長する姿が微笑ましく、逞しさ、前向きさ、パワーをいただいた。碧だけではない。大須の人達からはもちろん、大須という町全体からも、自分もやればできるという気持ちをいただいた。昭和30年代の大須に住む人達、全てが家族みたいな横の繋がりを感じ、自分の知らない昭和を知り、逞しさとパワーと希望をいただける物語。 2025/01/31

るい

37
昭和の頃から変わったところも変わらないところもゴチャゴチャと混ざり合う雑多な街、大須の空気感をしっかり感じられる。 物語は作文?見本?を読んでいるみたいできれいに纏められているだけでつまらなかったけれど、大須に行きたくなっちゃう、花電車も見てみたかったな。2021/09/22

ユー

15
古き良き時代の人情商店街を舞台にした小説。大きなインパクトは感じませんでしたが、「人」の魅力が沢山書かれた内容に、頷くばかり。懐かしいですよね。2025/02/06

のじ

6
大須には今の前の演芸場のときに一度だけ見に行った。各駅停車を乗り継いで行ったから遠かったなぁ。ご飯を食べて演芸を見ただけだからどんな町かはわからなかったけど、にぎやかな感じはした。お話は主人公の碧がやさしく個性豊かな街の人たちに囲まれて成長していくお話で、ぶっそうな出来事にも出会ったりするけれど、おおむね朝ドラのような感じのさわやかなお話でした。昭和30年代くらいの話で、最近自分の町の昔の写真を見たせいもあるけれど、日本がこんな元気な時代に帰ることは、もうないだろうなあと思うと寂しい気もします。2021/12/06

あざすたしあ

5
朝ドラにもなりそうな昭和30年代のまだ貧しい人もたくさんいた愛知県大須を舞台にしたお話。母親と二人暮らしで、父のない子として冷たく接してくる大人も居る中、長屋のおばさんや幼馴染み、ストリッパーのお姉さんなどに見守られて成長する少女・碧の物語。嫌な先生、初恋の人、クセ強な大人たち、と、それぞれのキャラクターが立体的に描かれていて実在してたんじゃないかと思うほど。伊勢湾台風の夜の怖さとか、若い著者がどうやってこんなにリアルに描けたんだろう・・・と感動しました。広告用の花電車に乘りたいと願う碧、かわいいです!2025/04/07

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