出版社内容情報
世の中には勝者もいれば敗者もいる。だけど、その勝ち負けは誰が決めるんだ? ――高校を卒業後、小さな鉄筋加工工場でアルバイトをはじめた俺。超ベテランの爺さんと組むが、その手は…「鉄の手」、建築現場で働く労働者との出会いで俺が決めたのは…「ヨンパチ」、地元の裸祭に参加しようか悩む俺…「フンドシ・トランス」など、勝ち馬に乗れない“俺”たちを描いた連作短編集。ひとつひとつの短編がかすかに?がり、すべてを読んだ後に見えてくる景色に、心も体も躍り出す。
内容説明
高校卒業後、小さな鉄筋加工工場でアルバイトをはじめた俺。そこで働く超ベテランの爺さんの生き方「鉄の手」、建築現場で働く労働者と出会い、俺はあることを決めた「ヨンパチ」。世の中のメインストリームや、わかりやすい勝ち馬に乗らない人間たちを描いた連作集。それぞれの作品がかすかに繋がり、すべてを読んだあとに湧いてくる感情に、きっと心は躍りだす。
著者等紹介
三羽省吾[ミツバショウゴ]
1968年岡山県生まれ。2002年『太陽がイッパイいっぱい』で小説新潮長編新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
167
幻冬舎の『傍らの人』を改題した作品。自分もそうだが、男という生き物は、たまに羽目を外してバカをしたりするんだよな。道から外れて脱線したりね。ここに登場してくる男達もそんな感じ。不器用だけど、バカな事したりしながら、確かに人生という道の中を旅をしている。前に突き進むのも良し、寄り道をするのも良し。道から外れて足掻くのも良し。そんな、いろいろな生き様を見せられた男達の物語。自分は、この先どんな人生の旅が待ち受けてるんだろうと思う。自分でも楽しみだ。2020/12/04
mura_ユル活動
111
共感しました。物語が懐かしいと思いました。三羽省吾さん、初読み。読友さんのレビューを拝見して。連作短編6編。編のつながりは薄いように感じました。どれもエネルギッシュな世代、仕事・酒・喧嘩・女を知り始めた時。「鉄の手」のシンジは、「フンドシ・トランス」の信二さんですね。「ヨンパチ」の津村も「R.S.V.P.Boss.」にも出てくるし。そういう発見が楽しかったりします。一番良かったのは「鉄の手」かな。手に職の手。表紙の「キリン」ことガントリークレーンはもう少しキリン似のクレーンは知っているぞと思いながら読了。2020/12/07
papako
65
やった!三羽さん最新刊。堪能しましたー。『傍の人』の文庫改題。三羽さんらしい男の子たちのお話ですが、今までの作品より、より悲哀を感じさせられました。少し立ち止まっている。もがいている。苦しさばかりの中に、ちょっとした手が差し伸べられる。『終わってる街』の片隅の赤提灯を中心に、ゆるく繋がる連作短編集。なんか今の自分に染みました。2020/03/02
Kazuko Ohta
23
建設現場の近くを通るとき、そこで働く人を見かけると、なぜかそれだけで泣きそうになることがあります。本作はその理由を教えてくれたような気がします。三羽さんのデビュー作であり、私が彼にハマったきっかけでもある『太陽がイッパイいっぱい』と同じような現場から始まり、前章までの登場人物がカメオ的に出演する連作短編集。気になっていた人のその後がちらりと見え隠れ。皆に薦めたくなるほどのインパクトはないけれど、心に焼きつけたい台詞がいっぱいある。「ちゃんと間違って、ちゃんと狂って、ちゃんと失敗しろ、馬鹿野郎」。その通り。2021/02/25
horihori【レビューがたまって追っつかない】
19
世の中のメインストリームや、わかりやすい勝ち馬に乗らない人間たちを描いた連作集。「鉄の手」「ヨンパチ」「キリン」「俺オナ。」「フンドシ・トランス」「R.S.V.P.Boss.」『傍らの人』の改題作。3年前に読んでたけれど、「フンドシ・トランス」まで全然気付かなかった。2020/05/31
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