出版社内容情報
秋吉理香子[アキヨシ リカコ]
著・文・その他
内容説明
ある夜、教室の机に入った手紙で呼び出された僕は、崖から突き落とされた。目覚めると、冴えないオタクだったはずが、巻き添えになった美形の男子高校生の姿に変わっていた―元いたクラスに転校生として潜入した僕は、入れ替わった姿で犯人捜しをはじめる。いったい誰が僕を殺したのか?そんな僕に警告を発するのは何者か?初なさと驚きに満ちたラストが待つ傑作青春ミステリー!
著者等紹介
秋吉理香子[アキヨシリカコ]
早稲田大学第一文学部卒。ロヨラ・メリマウント大学院にて、映画・TV製作修士号取得。2008年、「雪の花」で第3回Yahoo!JAPAN文学賞を受賞。2009年、受賞作を含む短編集『雪の花』にてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
219
秋吉理香子は、新作中心に読んでいる作家です。旧作で未読の本書が文庫化されたので、読みました。入替り青春ファンタジーミステリといった感じです。悪人が全く登場しないので、爽やかな読後感です。2017/12/26
アッシュ姉
84
崖から突き落とされた冴えないオタクの僕は目が覚めるとイケメンに入れ替わっていた。自分を殺した容疑者はクラスメイトの中にいるはずと犯人捜しをすることに。誰も信じられない疑心暗鬼からの思わず涙ぐむラスト!読み心地が劇的に変わって楽しい。予想していた結末とまるで違ったけど面白かった。タイトルにも納得。疾走感があって読みやすく一時間半ほどで読了。細かいところは気にせず、一気に読むのがオススメ。2019/08/06
とろこ
73
イヤミスかと思いきや、爽やかな読後感。容姿や趣味からくる劣等感や、不器用さから、うまく人間関係を築けない主人公。だが、ある事件をきっかけに、それまで、先入観や偏見を抱いていたクラスメイトたちと仲良くなり、本質を知る。元からの友達の想いも。高校の文化祭という郷愁を誘うシチュエーションに、淡い初恋。伝える術を知らなかったが故に起きた悲劇。確かにミステリーなのに、ホロッときた。外見が全てではない、きっと。根っからの悪人が登場しないので、気持ち良く読める。2018/01/21
菅原孝標女@ナイスありがとうございます
61
ストーリーが進むにつれて混乱し、困惑し、疑惑は深まる。でもなんだかんだかなりスッキリ終わってしまった。形容し難いが、強いて言うなら道徳の授業のような1冊。2024/11/24
スカラベ
59
鉄オタの冴えない主人公がイケメンへと姿を変え、転校生として高校へと戻って来る。自分は誰に殺されたのか。犯人探しがはじまる・・・「暗黒女子」を書いた作者なので、陰鬱な学校生活を背景とした話かと思いきや、SF的な要素も絡む清々しい青春ミステリーに仕上がっている。分かりやすい文体で、登場人物も限られているのでサクサクと読み進めることができる。やや粗い設定ではあるが、うまくミスリードされたり、意外な真相に驚かされたりと楽しめた。主人公が一皮むけて一歩成長する物語でもあり読後感は爽やか。2018/05/06