出版社内容情報
松尾 由美[マツオ ユミ]
著・文・その他
内容説明
「男はみんな奇跡を起こしたいと思ってる。好きになった女の子のために」―ある夜、北村志織は部屋の壁の穴から“一年後の今日”を生きている平野という男性に話しかけられた。平野は、同じマンションに住む顔見知りだった。翌日の新聞の見出しを次々と言い当てる平野に、志織はひとつのお願いをされる。“未来の平野”には、ある目的があった―時空を超えた奇跡のラブストーリー。
著者等紹介
松尾由美[マツオユミ]
1960年石川県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒。メーカー勤務を経て89年にジュニア小説を出版、91年にハヤカワSFコンテスト入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
寂しがり屋の狼さん
144
趣味の写真が原因でトラブルになり引越しを余儀なくされた北村志織。新たな住まいとなったのはオーナーが認めた芸術家だけが住むことを許されるマンション。志織はある日、壁に空いた穴から男の声を聞く。声の主は隣人であり、1年後の未来から話しかけていると言う。志織が声の示すまま行動した結果、ひとつの未来が変わる…それは好きな人を守りたいと言う想いが起こした奇跡⏳️とても静かな恋愛小説だと感じた。2019/04/22
菅原孝標女@ナイスありがとうございます
120
映画を観てからこれを読みました。タイトルだけでは(言い方が悪いですが)ただの恋愛小説だと思って読まなかったかもしれない。でも、ミステリ要素が強く、まさに"時空を超えた奇跡のラブストーリー"で、とても読み応えがありました。2021/04/02
takaC
109
単行本と新潮文庫で既読。松尾小説の中ではどちらかというと反お気に入りなのに、レーベル変えて出版なんてされてしまうと気になって読んでみたくなっちゃうじゃん。登録数は他2冊の3倍とこれが一番多いしね。結果として、どれも内容は同じだということが確認できました。(笑)2018/09/05
青蓮
107
初読作家さん。借り本です。 あらすじを読んだとき最初「これはSFか?」と思いましたが、現在モノなのにミステリーちっくでファンタジーが入った恋愛小説でした。全体的にベタベタな内容はなく、終わりは明るい未来を想像させるような纏まり方で、読後感は良かったです。 「マグカップ一杯分の奇跡」何か素敵。2017/09/28
ジンベエ親分
89
松尾由美は好きだが何となく後回しにしていた本。恋愛小説っぽかったので(^_^; 読み終えた今の感想は、満を持して真打ち登場!(笑) 部屋のエアコン用の壁の穴から「1年後の世界にいる」という男からあることを頼まれる志織という女性の話なのだが…。いわばタイムパラドックスを扱ったSF、と言って良いと思う。そしてその扱い方も独創的で面白い。伏線の張り方と回収の仕方も文句なし。恋愛小説としては薄味だけど、くどくなくちょうど良い塩梅。中盤から先は「おお~っ、それでどうなる?」と居住まいを正して読んだ。傑作。2018/04/23