出版社内容情報
湊 かなえ[ミナト カナエ]
著・文・その他
内容説明
政治家の妻であり、息子のために描いた絵本『あおぞらリボン』がベストセラーとなった高倉陽子と、新聞記者の相田晴美は親友同士。共に幼いころ親に捨てられ児童養護施設で育った過去を持つ。ある日、「息子を返してほしければ、真実を公表しろ」という脅迫状とともに、陽子の息子が誘拐された。「真実」とは一体何なのか。そして犯人は…。絵本『あおぞらリボン』(作・みなとかなえ、絵・すやまゆうか)を特別収録。
著者等紹介
湊かなえ[ミナトカナエ]
1973年広島県生まれ。2007年に「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞。08年同作品を収録した『告白』は、第6回本屋大賞を受賞した。12年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞短編部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
397
『施設の子どもは、存在自体が非常識ってこと?』こんな問いかけから、愛人男性と別れた晴美。自分と同じように施設で一時期暮らした境遇を持つ陽子とは強い絆で結ばれていると信じています。『こう平静でいられるのは、陽子の母性が、自らの境遇ゆえに欠けているからなのか。それとも、境遇ゆえに人並み以上に強く備わっているからなのか』。「母性」に繋がる「境遇」、人が人として生きていく中で、その基本となるべきものがどう形作られるのか、どう形作られていくのか。湊さんが答えを模索されている様子が垣間見えるとても興味深い作品でした。2021/09/07
ミカママ
388
最大の敗因は、全体のプロットが、読み始めでボンヤリと見えてしまったところ。それを差し置いても、読み易さとリーダビリティーはさすがの湊さんであった。どうやらはじめにドラマありきだったようで、上高地で撮影されたというそれは、なにをさて置いても観てみよう。松雪泰子さんめっちゃ好きだしな。2018/06/03
NADIA
210
「夜行観覧車」を読んだ後なので、「イヤミス」度は限りなくゼロに近いように思えた。逆に良い人過ぎる登場人物が多いとも。その所為か、先に読ませるパワーは前回の「夜行観覧車」の方が強かった。ストーリーもラストも印象深いと感じなかったので、既読を忘れてまたうっかり借りてしまいそう(^^;2016/09/29
やま
210
イヤミス度は低め。陽子の息子が誘拐されたことをきっかけに、彼女の境遇が明らかになっていく。湊かなえ得意の、2人の登場人物それぞれの立場からストーリーは描かれていく。文体に違いはあるものの、信頼できない語り手にはならず、普通に読み進めていって問題ない。伏線なのかミスリードなのかいろいろと考えながら読んでいった。最後は湊かなえらしからぬ、すっきりとした読後感になった。2015/10/25
コロンボ
159
ストーリー展開も結末も湊かなえ作品としては、チョット物足りなさを感じた。最初から、期待しすぎたせいでしょう。絵本の「あおぞらリボン」は、イイ話だった。2016/01/12