出版社内容情報
2015年1月から執筆を開始した、完全書き下ろしのショートショート集。81歳のSF作家が日常浮かんでくるさまざまなアイディアをもとに日々綴った。マイナンバー制度など、今のアイテムをブラックユーモアで扱っている作品もある。
内容説明
五二歳の杉田は、意識だけが中学時代に戻るという体験を繰り返すようになった。その真相とは?(「杉田圭一」)一九歳の坂本明の前に現れた、奇妙な顔。代償を払えば死ぬときの状況を選ぶ権利を与えてくれるというのだが(「臨終の状況」)。アルファベットのAからはじまりZまで、思いつくままに綴られた26編の全編書き下ろしショートショート。
著者等紹介
眉村卓[マユムラタク]
1934年大阪生まれ。大阪大学経済学部卒。サラリーマン生活のかたわら、60年、SF同人誌「宇宙塵」に参加。61年「SFマガジン」第一回SFコンテストで「下級アイデアマン」が佳作入選。63年、処女長編『燃える傾斜』を刊行した後、コピーライターを経て65年より専業作家となる。植民惑星を舞台にし71年から執筆を開始した司政官シリーズの長編『消滅の光輪』が、79年に第七回泉鏡花文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
北風
26
あどがきにも書いておられますが、眉村先生の「老い」を意識した短編集。最初少年で登場したのにオチでは老人になっている。眉村先生も老境に入られてご自身が意識されてるのはわかるのですが、短編集のテーマがすべて同じというのは読んでてしんどい。あと老いがテーマにしては、このタイトルは軽すぎるのでは??2016/11/26
ぜんこう
19
ショートショートというより、SFテイストの入ったエッセイと紹介したほうがいいかも。作者の年齢的にお年寄りの話が多いんで、若い人には合わないかも。2015/09/26
アドソ
16
70~80年代のSF界を席巻したこの方、齢80歳を越えてもまだ書いていらっしゃるという驚きでつい手にとった。年寄りには年寄りなりの感じ方、世界の見方があるというような、かなりテーマ性の強いショートショートとなっている。生死の境をあいまいに描いたいくつかの作品が幻想的でよかった。2017/07/20
じゅんぷう2000
14
「ねらわれた学園」を読んで以来、久しぶりに眉村さんの本を読む。A からZまでの26のショートストーリー。SFっぽい話もあれば、随筆のような話もあり、わずか3ページのお話もあったり色々楽しめます。老いを意識したっていうのは感じました。2016/02/21
阿部義彦
13
双葉文庫の新刊。あのSFの名手眉村卓さんのかき下ろしのショートショート集ですよ。眉村卓さんのショートショートだと「C席の客」なんか、鮮烈に覚えてますが、今回も御本人のイラスト付きで楽しませてくれました。人を食った展開にニヤリとしました。そして後書きで触れられている通り、老いをテーマにした作品が多くを占めています。これからもご活躍下さい。2015/08/21
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