内容説明
横浜の私立校で教師をする五月雨丈司のもとに不思議な知らせが届いた。港の片隅にある喫茶店に自分あての葉書が届いているという。行ってみると、そこは届けられたポストカードを壁一面に貼って公開し、永遠に保管するという風変わりな喫茶店だった。差出人に心当たりのない丈司は、記憶をたどり始めるが―。その店にいると、一枚の葉書に込められた真摯な想いと、それぞれが抱える人生が見えてくる。読み終わったあと、大切な誰かに手紙を書きたくなる、あたたかで鮮やかな連作短篇。
著者等紹介
吉野万理子[ヨシノマリコ]
1970年神奈川県逗子市出身。上智大学文学部卒。卒業後、新聞社、出版社で編集の仕事に従事。シナリオ・センター大阪校を受講し、2002年「葬式新聞」で日本テレビシナリオ登龍門優秀賞受賞。2005年『秋の大三角』で第1回新潮エンターテインメント新人賞(現大賞)受賞。以後、小説、児童読物分野で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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柊文庫本棚
感想・レビュー
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aoringo
92
地元である横浜が舞台の小説は読むようにしています。あまり聞いたことのない作家さんだけど読めて良かった。ポストカードカフェかあ。素敵だな。本当にあったらいいなあ。その時、自分だったら誰にどんな言葉を送るだろう。心を込めて綴ったポストカードはこのカフェにずっと残ってくれる。気持ちをちゃんと言葉にするって大事なことだな。2021/07/20
Willie the Wildcat
88
過去に節目で奥様・子供たち、それぞれに葉書を送ったことが一度だけある。封書ではなく葉書を選択した当時を振り返ると、「構えることなく知って欲しかった思い」かな。さて本題。耕太郎のエピソードは、親子という観点で特にグッとくる。亡き父を思い浮かべてしまった。その分、母親孝行ですね。確かに、こんな待ち合わせ/保管場所があると面白いかもしれない。一方、破棄vs.保存は、ふと考えてしまう。葉書故に双方向。時間が齎す物心両面での変化が、葉書の存在の意味に影響。小坂、確かに嫌な奴だが、至極もっともなヒトの感情でもある。2020/07/30
たるき( ´ ▽ ` )ノ
66
ゆったりした気持ちで読了。素敵なカフェだなあ♪最近、カフェが舞台の小説を見つけると、つい買ってしまう ( *´艸`)みなとみらいのカフェってとこもいいね!本当にあったら絶対に行くんだけどな(*´∇`*)2014/08/27
ねむねむあくび♪
59
図書館の本。設定が素敵で手に取ったが、どの話も短くて、もの足りず…。私には合わなかったな(´・ω・`)2015/09/29
たるき( ´ ▽ ` )ノ
55
再読。この舞台が地元になるなんて、思ってもみなかったな〜♪読んでいると情景が思い浮かぶので、前に読んだ時よりもリアルだった(*^^*)温かさと切なさが混在しているお話。どことなくやり切れなさを感じてしまうのは、なんでなんだろう?それでも、私はこの雰囲気が好き☆きっとまた読み返す気がする。2016/10/07