出版社内容情報
氷野照明に勤める奈良瑛子が近所で見つけたのは、カフェ・ルーズという小さな喫茶店。そこを一人で切り盛りしているのは、かつての同僚・葛井円だった。海外の珍しいメニューを提供する素敵な空間をすっかり気に入った瑛子は足しげく通うように。会社で起こる小さな事件、日々の生活の中でもやもやすること、そして店主の円の秘密――世界の食べ物たちが解決のカギとなっていく。読めば心も満たされる“おいしい"連作短編集。
内容説明
平凡で、この先ドラマティックなことも起こらなさそうな毎日を過ごす瑛子が近所で見つけたのは日当たりが良い一軒家のカフェ。店主はかつての同僚・円だった。苺のスープなどメニューにあるのは、どれも初めて見るものばかり。旅先で見つけたものを再現し、出しているという。瑛子に降りかかる日常の小さな事件は世界のスイーツによって少しずつほぐれていく。読めば心も満たされる“おいしい”連作短篇集。
著者等紹介
近藤史恵[コンドウフミエ]
1969年大阪府生まれ。93年、『凍える島』で第4回鮎川哲也賞を受賞し作家デビュー。2008年『サクリファイス』で第10回大藪春彦賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
434
こんなカフェがあれば、本当に海外旅行に行かなくても、旅行した気分になれるわ。ただし呪文みたいな名前のスイーツ、料理、酒ばかりで覚えられないし、名前を言えば間違いなく噛んでしまうな。店長の円さん、賢くて素敵な人だね。瑛子さんと飲み友達にもなりたいね。お店に海外の風景や街並みの写真集を置いてほしいね。そしたら、ひとりで行った時に、写真集見ながら飲み食いしたら、ますます海外に行った気分になること間違いなし。外国のカフェにいる気分になれる心地良い作品でした。2020/02/02
馨
358
良かったです。いろんな国を旅したオーナーが世界の料理やスイーツを作って提供するカフェというタイトルの意味も読んで納得、表紙の料理も話の中に出て来て納得しました。ドラマ化出来そうな内容で、ちょっとした謎解きも心地よい。あんなカフェがあったら通ってしまいそうです。主人公瑛子の心情もわかるところが結構ありました。2019/12/21
カメ吉
300
久々の近藤史恵さんの作品。短編集でしたが読みやすく面白かった!『キリコ・シリーズ』のような日常的ミステリー(謎解き)の様な作風とグルメ要素がミックスしてて更に旅も盛り込まれ満たされる1冊でした。出てくる女性たちが強さと弱さを併せ持ってて魅力的でしたし『カフェ・ルーズ』という居場所が羨ましい。二人の女性が主人公ですが瑛子さんの悩みや幸せは現実的で自然で円さんの生き方は応援したくなる。最後の円さんの秘密はビックリですが爽やか!もっと続きが読みたい!ダラダラ続いても良いからシリーズ化してほしい。そんな作品。2020/05/06
mae.dat
284
連作短篇10話。章が進むに連れて徐々に昂まる構成は流石です。第1話『苺のスープ』の書き出しで既視感が。と思って見たら、アンソロジー集『ミステリな食卓』に入っていたよ。瑛子さんにとっては、気の置けない(夜はアルコールも出す)カフェが見つかったの好いですね。羨ましくもあります。ただ、入れ替えも多いのでしょうが、メニュー数が豊富過ぎて、置場を圧迫していないかとか。食品ロスにならないやろかと要らぬ心配もして仕舞います。小さなお店だって言うからねぇ。最終話の章タイトルが『最終話』なのは、最終話故ですね。熱い。2025/03/10
NADIA
191
オシャレなカフェが舞台の10編の連作短編集。ストーリーは後味よく爽やかだがこの種の作品ではわりとありがちで特筆するようなものではない。でも登場するスイーツたちが魅力的♪ああ、私もこんなカフェ(できればチェーン店ではないものが希望)が近所にあれば!! 特に「ロシア風ツップフクーヘン」に心惹かれる。やっぱり食べ物が登場する小説はそれだけで読後感が加点される(*^^*)2020/07/23
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