内容説明
哀しみが漂う街・新宿。本物の刑事になるため、心のやわな部分を削ぎ落として果敢な精神を持つ。そう決意した若い渡瀬刑事が、暴行されて死亡した、ある女性の遺体写真を見る。被害者は彼が密かに心を寄せていた女性だった。やがて犯人は逮捕され、新宿署に連行されてきた。その姿をみた渡瀬に湧き上がるのは…「恨み雨」ほか、全7編を通して描かれる人と街。今なお語り継がれる孤高の警察小説。傑作シリーズ第4弾。
著者等紹介
藤原審爾[フジワラシンジ]
1921年東京生まれ。文芸同人誌の手伝いをする傍ら創作を始める。47年、文学史上に残る名作『秋津温泉』を発表。52年、『罪な女』他で第27回直木賞を受賞。純文学からサスペンス、任侠小説、ハードボイルド、社会性の強い作品や動物小説、ユーモア小説など、幅広い作品を執筆し「小説の名人」とうたわれた。84年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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