内容説明
殺人、脅迫、誘拐、テロ…一見単純だが、どれもこれも一筋縄ではいかない複雑怪奇な事件が、次々と起こる綾鹿市。犯人は!?そして、事件の真相は!?事件解決に奔走する五龍神田刑事と、名推理を披露する謎のホームレス探偵「じっとく」―。本格ミステリーの奇才が12の犯罪と13の謎で読者へ挑戦する。
著者等紹介
鳥飼否宇[トリカイヒウ]
1960年福岡県生まれ。九州大学理学部生物学科卒。出版社勤務後、2000年より奄美大島に移住し、自然観察の傍ら執筆活動を開始。01年『中空』にて第21回「横溝正史ミステリ大賞」優秀賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
koma-inu
31
綾鹿市〇〇的シリーズ3弾。13連作短編。主役の巡査部長が、ホームレスにヒントを貰い推理するものの、ヒントの解釈を誤っている、なんとも情け無い話が続く。どの話も2パターンの解釈が提示される、斬新な短編集。他のシリーズ作品に比べたら地味な印象を持ってしまうのは、本シリーズのバカミスレベルに慣れてしまったからでしょうか。最終章で示される、ホームレスの正体は意外、というほどでは無いですが、各章の伏線が回収されたのは心地よいです。2025/04/30
みぃすけ
8
1話1話が短くて仕事の休憩中に読むのにピッタリ。じっとくがいなくなってから探偵役交代か?と思いきやラスト2話で謎が解けてすっきり!2016/03/03
ソラ
5
【読メ登録以前読了作品】 内容(「BOOK」データベースより) 殺人、脅迫、誘拐、テロ…一見単純だが、どれもこれも一筋縄ではいかない複雑怪奇な事件が、次々と起こる綾鹿市。犯人は!?そして、事件の真相は!?事件解決に奔走する五龍神田刑事と、名推理を披露する謎のホームレス探偵「じっとく」―。 2008/08/21
takahiko
5
ホームレスのじっとくさんの発する言葉からヒントを得て、事件の解決を喜び勇んで刑事が披露するが実際は・・・短編集でさまざまなバリエーションで堪能できます。各短編での伏線も絶妙です。個人的には当たりでした。2012/01/24
DK
2
ホームレスの一言をきっかけに事件解決の糸口を掴むという連作短編集だが、そのヒントがダミー解決と真の解決の2つを導かせる上に、タイトル通り逆説的になっているというかなり厳しい制約を掛けており、にも関わらず、その犯罪はヴァラエティに富み、それでも様式美を守る手腕が素晴らしい。同じと思えたパターンも最後に行くに従い、少しずつ形を変えていき、思わぬ最後を迎える伏線となっている。最後の最後まで人を喰っている作品であり、少々変わったミステリをお望みの方は是非。2011/11/22