双葉文庫<br> 父と子の旅路

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双葉文庫
父と子の旅路

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  • サイズ 文庫判/ページ数 333p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784575510195
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「君には難問だが、逃げずに立ち向かうんだ」弁護士の浅利祐介は所長の沢田からそう告げられた。その難問とは、祐介の両親を惨殺した死刑囚の再審を担当するという酷いものだった。その死刑囚は唯一生き残った祐介の行く末をことのほか案じていたという。それがなにを意味するのか。驚倒の事実が…。

著者等紹介

小杉健治[コスギケンジ]
1947年東京生まれ。『原島弁護士の処置』でオール読物推理新人賞、『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞、『絆』で日本推理作家協会新人賞をそれぞれ受賞。一躍、法廷ミステリーの旗手となる。近年は時代物にもジャンルを広げて活躍中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三代目 びあだいまおう

251
なんという、まさになんという父親の愛よ!報われず、受け止められることも知られることもなき、深き深き父の思い! 読メレビューに興味を持ち購入。一家を惨殺し幾ばくかの金を盗んだ犯人は、幼き我が子を抱え逃走。金も費え、もはや逃げ切れぬと我が子をどこかに預け捕まった。死刑宣告を受け穏やかに執行を待つ彼の元に訪れたのは、惨殺現場にたった一人残された、当時生後半年の遺族!執行命令が下され、残された命が消えようとしていく中次々と明らかになっていく切なき真実❗賛成できるものではないが項垂れるしかない余韻。名作です‼️🙇2019/01/20

しんたろー

184
小杉さん初読み。死刑囚・光三、若い弁護士・祐介、光三の元妻の娘・礼菜の三者目線で進む話は複雑な関係をテンポ好く運んで飽きさせない。中盤で大きな種明かしをするので、ミステリよりヒューマンドラマに重きを置いていると納得。光三の息子への愛情の深さが最大の魅力だが、刑務官の想いや息子本人の気持ちを判っていながら死を選ぼうとする光三の頑なさが、独り善がりに感じて乗り切れなかったのが残念…ここが泣けるか泣けないかの分岐点だろう。それでも、祐介の養親の切なく寛大な心に胸を打たれたし、親子関係を考えさせられた良作だった。2019/01/31

chiru

115
26年間沈黙を貫き、無実の罪で死刑囚として拘置される光三。 光三に殺害された遺族でありながら、弁護を引き受けた祐介。 なぜ光三は再審につながる重大な証言を拒むのか…。 事件に関係する複雑な人間関係を、無理なく収束させる手腕が秀逸。 光三が架空の人物だとわかっていても、拘置所でも変わらない光三の人柄、看守や死刑囚との心のふれあい、何より子供を思う痛ましい決意に、悲しみや切なさなどの感情を超越する感動を味わい、思いきり泣いてしまいました。 今まで読まなかったことが悔やまれる名作。 ★5 2018/06/10

ふじさん

100
弁護士の祐介が担当することになったのは、自分の両親を惨殺した死刑囚の再審という酷いものだった。父と子の壮絶極まるドラマが展開する。後半は、涙なしには読めなかった。こんな題材を書いた作家に驚きを感じるだけだ。次々と分かる事実や真相に振り回され、最後には大逆転の展開が待っている。今年ナンバー1の作品。柳瀬光三と祐介、光男、あかね、礼菜、それぞれの人生が絡み合い縺れ合い、想像もつかいない展開に、ただただ夢中になって読み進むしかない。冤罪もテーマだが、それだけではない人間の生き様がここには生々しく描かれている。2021/11/24

chantal(シャンタール)

96
ロクでもない両親の下に生まれた礼菜、父の顔は覚えていない。養母に育てられたが、今、実母は末期癌で余命半年と言われている。義絶している親と最後に一目会わせてあげたいと思い、祖父を尋ねるが冷たくて追い返される。そこで自分には兄がいた事を知らされる。異父兄の消息を尋ねるうちに兄の父である光三が死刑囚として服役している事を知る。子を虐待する鬼の様な親がいる。自分の人生を犠牲にしてでも子を守ろうとすると親もいる。波乱万丈な光三の人生。仲良しのはちに頂いて2年も熟成、やっと読みました。暖かい物語だった。2020/11/19

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