出版社内容情報
書評誌として、現在も根強い人気を誇っている『本の雑誌』。その後、作家や映画監督として活躍する椎名誠、書評家・北上次郎名義でも知られる目黒考二の二人を中心に創刊された雑誌で、その創刊秘話は椎名誠『本の雑誌血風録』、目黒考二『本の雑誌風雲録』に詳しく描かれている。今回は、その二冊を底本に、関係者への取材をもとに『本の雑誌』創刊時を、こちらも読書界を震撼させた『どくヤン!』の作画担当であるカミムラ晋作が完全漫画化。完結巻となる3巻では、椎名誠が作家デビューしてベストセラー作家になり会社を辞めることに。「破綻した男」目黒考二も助っ人学生を教え導く立場に。感動のフィナーレを目撃せよ!
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ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
54
第3作、完結巻。椎名誠さんの作家デビューから専業へ。目黒考ニさんは結婚し、助っ人学生との距離感を縮めていく。本の雑誌は発行部数が増え、事務所も移転。…WEB公開にプラスして目黒考ニさん献花の会のレポート、編集後記、原作にないシーンなどを加筆。この作品が目黒さんへの追悼で終わってしまうのが残念。これからも「本の雑誌」が長く続きますように。2023/11/11
ぐうぐう
35
自分の好きなことを追求してきた二人が、自分達が読みたい雑誌を自ら作り、でも継続させていくには多くの人達の協力が必要であることを知り、助っ人という名の仲間と共に紆余曲折を経て「本雑誌」を大きくさせていく。そこで二人は、気持ちと出会うのだ。目黒考二が助っ人カップルの結婚式で涙する場面がまさしくそうだが、目黒考二と椎名誠にとって「本の雑誌」を作って一番得たものは、間違いなくその気持ちであることが理解できる。巻末のおまけマンガは「目黒考二 献花会」のレポートで、その会もまた、気持ちの塊でできていることに感動する。2023/12/10
OHモリ
19
・離れ島で仲間たちとテントを張ってキャンプして大騒ぎする「東ケト会」活動もオヤジ達憧れのシーナ的春だったのだが、その裏で?軽い気持ちで始めた「本の雑誌」を本業にして金も人もない中で真剣に維持して発展させた青春物語として描かれている。 ・本の感想を書いて人に伝えたい人から始まって、本を創る人、本を売る人、本を書く人、書評を書く人。本に対する立場は千差万別だけど本は素晴らしい文化だと思う。ネットに押されて紙の本の売れ行きは減っているのだろうけど、紙の本文化は絶対に残したい。 2024/08/23
阿部義彦
17
これで完結の3巻です。この本は決してこの様にやれば成功するよ、という類の薄っぺらいビジネス書では無くて、若さに任せて常識は無いけど情熱は余る程有る二人による、何とかなるだろの成り行き任せの遊びの行き着く果ての報告書みたいなものなのだ。本の話ができる人が居ないから、そういう人が楽しめる雑誌を自分達で作ろう。DIY精神で金儲けの為では無い、椎名さんが北宋社から探検隊の本を出したら、増刷分の印税は要らないと拒否したという話は初めて知りました。北宋者は橋本治の本も出して、私も好きな出版社です。これからも応援します2023/11/09
新天地
11
本は、人から人へ何かを、物語は勿論思い出や感情や思想から知識に知恵それ以外にも数多ある万物を受け継ぐのにとても良い手段の一つだと思う。目黒孝二は最初は「一日中本を読んでいたいけど、働かないと本が買えないので働き、働いていると本が読めないので仕事を辞める」という生き方をしていたが、『本の雑誌』という本を読む人の為の雑誌を作る過程で、執筆・編集・配本・企業等を経験し「本を作ること」と「人と関わること」がいつしか重なり、やがて人から人へ何かを受け継ぐことを目指す人生へと変わっていく姿にとても感動した。2024/10/27
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