内容説明
かつてプロレス界には想像を絶する“危険な季節”が存在した―。世界最狂団体全日本女子プロレスの真実。死をも恐れぬ表現者たちの証言。
目次
ブル中野
アジャ・コング
井上京子
豊田真奈美
伊藤薫
尾崎魔弓
ロッシー小川
ジャガー横田
デビル雅美
ライオネス飛鳥
長与千種
里村明衣子
広田さくら
北斗晶と対抗戦の時代
著者等紹介
柳澤健[ヤナギサワタケシ]
1960年3月25日、東京生まれ。83年3月、慶應義塾大学法学部法律学科卒業。在学中からまんが専門誌『ぱふ』の編集をてがける。84年に文藝春秋に中途入社し、以後『週刊文春』『Sports Graphic Number』『CREA』編集部などに在籍。03年7月に退社後、フリーランスとして活動を始め、07年にデビュー作『1976年のアントニオ猪木』(文藝春秋)を上梓。『Fight&Life』誌の長期連載「日本レスリングの物語」が2009年度ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヨーイチ
35
テレビが我が家に来た頃はブラッシーが力道山に噛み付いていた。小学生半ばで手に取った「ゴング」にワクワクしていた頃、小さく女子プロレスの記事を見て「いかがわしさと貧乏臭さ」を感じた。親に見ている事を知られては困るって感じ。以後マッハ文朱とビューティペアのブレイクを迎えることになる。プロレスに関心の無い人には無用の書物だが、これだけの分量がまだ出版されているところに当時のブームが凄まじかった事を物語っている。今となっては各章の底辺を支える女子プロレス創業者の松永兄弟の在り方が興味深い。続く2018/06/07
Y2K☮
28
全日本女子プロレスの思い出。タイトル戦は最後の「押さえ込み」だけ真剣勝負で負けた方は新陳代謝のための引退を会社に迫られる。まさにガチ。25歳定年制ということはキャリアは長くても10年。中卒で隔離同然の寮生活に入って洗脳され、社会のことを何も知らずに25歳で放り出される選手のその後を考えると怖い。肩叩きをするなら辞めた後の受け皿を用意するのも会社の務め。ブル中野と北斗晶の輝きの違いや井上京子と豊田真奈美の天才性の差異も面白い。あと閃き型の長与千種よりも論理的なライオネス飛鳥の方が人を育てるのは上手いと思う。2021/07/27
etoman
8
たまたま夜中に女子プロにチャンネルが合ったら、そこには金網デスマッチの試合だった。プロセス好きだったがさすがに女子プロは見ておらず、この時代だとパンクラスを応援してた気がする。しかし、金網の最上段からギロチンをしたブル中野を見て男子のプロセスをはるかに超えた凄みを感じてしばらく女子プロをテレビ観戦していた気がする。1993年を中心とした女子プロの今昔インタビュー集。全女の凄さに圧倒された。バブル崩壊とプロレスの衰退、停滞する日本経済って根は一緒だと思っている。が、これからの世界の姿はやっぱり見えてこない。2011/09/21
最終バック九番手
7
どの人も気分よくしゃべっているように思えるのはインタビュアーがうまいのかレスラーがしゃべりたがりなのか…デビルと同列になりたくないから北斗は掲載を許可しなかったのだろうか…神取と関西とヤマモが取り上げられていないのは非常に残念…第1刷発行:2011年6月19日…本体1900円2011/11/11
Y2K☮
7
北斗のインタビューが載らなかったのは、本の内容がプロレスの内幕に触れているからでしょう。シュートという単語からして、そうだし。でもそこをあやふやにしている間は、プロレスは永遠にマイナーです。知らない人はショーだといって馬鹿にして思考停止しちゃうし、WWE以後のファンは「硬いこと言うなよ。面白ければいいじゃん」と割り切って気楽に見る。本気にならない。でもブルがアジャを竹刀で殴りまくる試合はガチにしか見えない。本気にならないファンを本気にさせるプロレスが必要です。時代をはかなんで引いている感のある中邑に期待!2011/07/08