内容説明
本書は、与謝野晶子の三万とも五万ともいわれる短歌の中から百首を厳選したベスト・セレクションです。書家による鉛筆と筆の見本をなぞれば字の練習にもなります。筆写は脳を活性化するといわれ、声に出して詠めばその効果はいっそう高まります。
目次
今宵こそハイネとふたりわがぬると 友いひこしぬ星合の夜に
君をして楊貴妃桜咲く蔭に 舞はせてしがな羽衣の曲を
浪に入る夕日ながめておばしまに 鬢の毛からむ浜の松風
わが恋をみちびくほしとゆびざして 君ささやきし浜寺の夕
髪五尺ときなば水にやはらかき 少女ごころは秘めて放たじ
その子二十櫛にながるる黒髪の おごりの春のうつくしきかな
清水へ祇園をよぎる桜月夜 こよひ逢う人みなうつくしき
経はにがし春のゆふべを奥の院の 二十五菩薩歌うけたまへ
やは肌のあつき血汐にふれも見で さびしからずや道を説く君
ゆあみする泉の底の小百合花 二十の夏をうつくしと見ぬ〔ほか〕
著者等紹介
藤沢昌子[フジサワショウコ]
書家。「昌の会」主宰。昭和20(1945)年9月9日生まれ。コミュニティクラブたまがわ(東京・玉川高島屋)講師。個展は昭和50年に「中也と詩う」を発表して以来、紀伊国屋画廊、文藝春秋画廊、鳩居堂画廊などで開催、またNHK『御宿かわせみ』『はね駒』『凛々と』を始めとする各局テレビドラマの題字、東宝・松竹など舞台作品の題字の揮毫、キリンビール「秋味」(平成4年)のロゴ作成など幅広く活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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