出版社内容情報
「ただ、星を守りたかっただけ――」
現役の文部科学大臣で文壇の大御所作家でもある清水義之が全国高校生総合文化祭の式典の最中、舞台袖から飛び出してきた男に刺されて死亡する事件がおきた。逮捕された男の名前は永瀬暁、37歳。永瀬は逮捕されたのち、週刊誌に手記を発表しはじめる。そこには、清水が深く関わっているとされる新興宗教に対する恨みが綴られていた。また、式典に出席していた作家は、永瀬の事件を小説として描く。ノンフィクションとフィクション、ふたつの物語が合わさったとき見える景色とは?
【目次】
内容説明
ただ星を守りたかっただけ。フィクションとノンフィクション、2つの物語がつながったときに見える景色とは。
著者等紹介
湊かなえ[ミナトカナエ]
1973年広島県生まれ。2007年「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞。08年同作品を収録したデビュー作『告白』は「週刊文春08年ミステリーベスト10」で第1位、第6回本屋大賞を受賞。また14年には、アメリカ「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙のミステリーベスト10に、15年には全米図書館協会アレックス賞に選ばれた。12年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。16年『ユートピア』で第29回山本周五郎賞受賞。18年『贖罪』がエドガー賞〈ペーパーバック・オリジナル部門〉にノミネートされた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
273
安倍元首相暗殺事件がモデルの小説は柴田哲孝『暗殺』に続き2冊目だが、残念ながら今回も失敗作だ。柴田作品と同じく独自色を出そうと様々な物語を付け加えたため、現実離れした部分や本筋とは無関係なサイドストーリーが目立ち焦点がぼけている。旧統一教会に相当する愛光教会が有力文学賞を餌に日本の作家に入信を強要し、出版社も事実上支配しているがネット時代でも秘密が完璧に保たれる設定などあり得ない。個人の精神遍歴に集中した三島由紀夫『金閣寺』に比べ、社会問題がテーマのエンタメとして成立させようと苦心して却って破綻を招いた。2026/01/09
hiace9000
157
「シン『言葉』と生きる作家」湊さんゆえに紡ぎだせた新境地であり、異色の大傑作(と確信する)今作。物語の入口こそ、かの銃撃事件を契機にした統一教会解散命令や二世問題。しかしそれを卓説の想像力と創造力で編み上げることで、"それ"だけではない「普遍性」をもった見事な家族小説かつ人間ドラマに。二つの手記を合わせ鏡にして読み手を作品の言葉の世界に引き込む構成と真に迫る見事なる心理描写にも唸らせる。作品の根底には、言葉の力によって巨大な組織や悪に立ち向えることを信ずる、湊さんの作家としての強い矜持があると感じるのだ。2026/01/25
いつでも母さん
157
感想は書かない。ただ、淡々と読むのだ。そう決めてページを捲り始めた。暁闇の第7章まで読み、終章を残して金星の最後まで読んだ。そして勧められた通りに残した終章に進んだ。『さくりという歯ごたえがあった。』からの4行に不覚にも涙が溢れた。何故だ・・そんな自分にちょっと狼狽えた。苦手な湊さん。久しぶりの湊さん。この作品は読み手を選ぶかもしれない。そして私は読んだ。ただそれだけでいい。それだけが全てだ。2025/12/26
うっちー
142
賞狙いかな。私はイヤミスの湊さんが好きです2025/12/24
bunmei
133
新興宗教の教団二世による、大臣襲撃事件を描いたサスペンス。大学時代に同級生が教団の信者となり、そこからの脱会の手助けの難しさを経験したことがある。本作も前半は、愛光教会の信者となった母親によって人生を狂わされ息子・永瀬暁が、襲撃事件に至るまでを手記として綴られていく。後半は、暁の襲撃を現場で目撃した作家による小説として描かれていく。完読後、手記の中では見えなかった事が明らかになり、前半を読んだ時の思いは一変する。後半の小説によって、事件の表裏が露になると、究極の愛の形として心が揺さぶる結末へと導かれる。 2026/01/16
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