出版社内容情報
俺、ほんとに結婚するのか? 27才の春崎は、大学から付き合っているさやかと結婚を控えている。だが、世間のいう「結婚」の世間体や両家のしがらみにもやもやする。そんな折、さやかと共通の友達であったヒロが事故で亡くなったと知らされた。決められたレールの上を歩くように結婚した春崎とさやかの前に現れたのは・・・。
【目次】
内容説明
結婚、かあ~。27歳の春崎悠太は、学生時代からの恋人・さやかと同棲している。友人たちが続々と結婚して子どもを持つ中、さやかからも急かされ、そろそろ結婚しなくちゃ、と思う。だけど、なんだか気持ちが乗り切らない。相手の両親に会っても億劫に感じる。それでも「みんな」が結婚しているから、自分もそうしたほうがいい。意を決して婚姻届を出したその日、さやかと大げんかをして離婚へと突っ走ってしまう。そんなふたりの前に、なぜか数か月前に死んだ大学時代の友人・ヒロの幽霊が現れて―。気鋭の著者が描く「結婚」と「家族」。世のしきたりを超えた、新たな絆の物語。
著者等紹介
大前粟生[オオマエアオ]
1992年、兵庫県生まれ。2016年、「彼女をバスタブにいれて燃やす」がGRANTA JAPAN with早稲田文学公募プロジェクト最優秀作に選出され小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
tetsubun1000mg
9
同棲期間も長くなり結婚届を出すのだが、言い争いになってすぐ離婚届を出す二人。 最初はよく分からず面白くないのだが、二人の部屋に大学で仲が良かったヒロの幽霊が現れてからストーリーが動き出して面白くなってくる。 自分のことを語らなかったヒロの事を知ろうとして、妹や母親、同級生に会って聞いていくことで、ヒロの人生が分かっていく。 その中で離婚しているのに二人で住むことを選んでいくのだった。 2025/11/21
たっきー
9
27歳の春崎とさやかは結婚するも、すぐに離婚届を提出。ただ、同棲していたこともありふたりの生活は続いていた。そこに同級生の幽霊が現れて…。なかなか自分のなかでのテンポが上がらず、ページ数のわりに読了まで時間がかかった。あんまり入り込めず。2025/10/27
そうたそ
9
★★★☆☆ 学生時代からの恋人・さやかと同棲している二十七歳の春崎。結婚に億劫な中、恋人からの圧もあり、結婚することに。そんな中、大学時代、さやかとともに仲の良かった友人・ヒロの幽霊が現れる――。まさにタイトルの如く、結婚話に幽霊話。結婚を迎える中で、改めて二人の関係性に疑問を感じてしまうカップル。喧嘩の末、早くも離婚。果たして友人に戻るべきか否か、というところで出てきたかつての友人の幽霊により、今一度関係性を見つめ直すことになるストーリー。若者ならではの心の機微がよく表現されていたように思う。2025/10/05
📖®書店員🍵
5
家庭があるから幸せなのか、家庭を持たないから幸せなのか、どちらとも言えなくて同じ家庭の中でも幸せを感じる人と感じない人がいて、幸せの形ってなんだろう?幸せって何なんだろう?と凄く考えさせられた。 この2人にとっては『家族』や『恋愛』とかではなくて大学時代のモラトリアムに浸っていた時のような『友達』がいること、3人でいることが『幸せの形』だったのかなぁ。こういう人生も悪くない、楽しそうでちょっと羨ましいと思う関係性で、また少し世界が広がった。2025/08/27
みずたま
3
付き合ったり別れたりを繰り返しながら関係を続けてきた春崎とさやか。結婚を決めたものの春崎は家族になることへの不安を抱いていた。そこへ急逝した大学時代の2人の共通の友人であるヒロの幽霊が家に現れ⋯家族の中で作られる当たり前の世界。疑問にも思わないような小さなルールたち。家族というある意味閉ざされた空間に第三者が足を踏み入れることがタブーではなく、風穴を開けるように描かれる。そして、それがけして強引にならないよう細心の注意が払われていた。変われるきっかけは必ずあるし、正解は一つではないのだと思える作品だった。2025/11/20




