出版社内容情報
中学卒業と同時に親元から飛び出し歌舞伎町にたどり着いた15歳の少女・七瀬。わずか15年の人生で絶望を味わい、すべてをあきらめている七瀬にとって、歌舞伎町は唯一、心を安らげる場所だった。トー横広場で仲間とダベり、危ないバイトに手を出していくうち、歌舞伎町の闇社会や家出少女たちを食い物にしようとする大人たちとも関わっていく。そして事件は起きた――。社会派サスペンスの新鋭が描く衝撃の復讐劇。
内容説明
中学卒業と同時に群馬の親元を飛び出し、歌舞伎町にたどり着いた15歳の少女・七瀬。わずか15年の人生で深い絶望を味わい、生きることに投げやりになっている七瀬にとって、歌舞伎町は唯一、心安らげる場所だった。トー横広場で仲間とダベり、危ないバイトに手を出していくうち、歌舞伎町の闇社会や家出少女たちを利用しようとする大人たちとも関わっていく。そして事件は起きた―。
著者等紹介
染井為人[ソメイタメヒト]
1983年千葉県生まれ。芸能マネージャー、演劇プロデューサーなどを経て、2017年「悪い夏」で横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞。同名作で小説家デビューする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
332
15歳のトー横キッズが急に権力者や闇のコネクションに恵まれだすの何で?という根本的すぎる疑問はさておき、トントン拍子で読みやすいのも良しとして、復讐(浄化?)するにあたって全然必要ない行動が多すぎる気がして仕方がない。どのみち薬を盛って始末するだけなら、ホストクラブでの無駄すぎる散財とかに何一つ意義がない。その後にカケを飛んで、客もいなくして絶望させた後に、とかならまだ話もわかるけれど、有頂天の真っただ中にやるくらいなら最初からストレートに拉致した方がいいのでは。2025/03/29
いつでも母さん
152
15歳の家出少女・七瀬の復讐劇。上手く行きすぎだわ。と思うものの、スピード感があって何とも痛快で一気に読まされてしまった。いや、歌舞伎町と想像するだけで私の知らない世界だし、駄目だろう・・って思うことばかりなんだけれど、そこはほら染井さんだもの(笑)エンタメとして、脳内で動き回るキャラたちを楽しんだ次第。2025/04/16
hiace9000
136
社会と人の欲と金と闇が生んだ「トー横キッズ」の存在をモチーフに、染井ノワール感たっぷりで描く犯罪小説。眩い輝きを放つ不夜城である歌舞伎町には、陰や闇がありそれゆえそこを塒にするしかなった人間も集まり、それを食い物にしようと群がる悪もある。不良、半グレ、ヤクザは染井さん得意領域だが、今作の「トー横に屯する少年少女ら」へ向ける作者の眼差しは、単に悪や憐憫、同情だけではない。社会的弱者を食い物にしようとする、あらゆる階層の輩どもへの憤りと怒りの復讐譚であるようにも思う。2部構成の醍醐味を存分に味わい楽しめる。2025/04/29
ゆのん
58
主人公は15歳の家出少女。歌舞伎町で知り合った友人の死によって復讐を決意するが…。ヤクザや半グレなどの話はあまり得意では無いが作者が『染井為人』となれば面白さ確定なので何の躊躇もなく読んでしまう。何せ今まで染井作品でハズレは無いのだから。今回も面白かった。正直仕事を休んで続きを読みたい程『悪女』とか『復讐』物は大好きなのだ。主人公を応援してしまうし、ハラハラする場面が絶妙なタイミングで入ってくるし、グロい描写は無いしでとにかく夢中で読んでしまった。映像化してもかなり面白いのではないかと思う。2025/02/07
ゆみねこ
57
15歳で実家から逃げ出し歌舞伎町に辿り着いた七瀬。実父からの性虐待、母親は新興宗教に逃げ、行き場を無くした少女はトー横キッズとなる。仲間の死をキッカケに汚い大人たちへの復讐を誓うが、やくざに生き埋めにされてしまう。そして5年後…。こんなに上手く行かないだろうと思いながらも先が気になり一気に読破。いつか颯太と会える日がくるのかな?2025/05/02