出版社内容情報
子どもの寝かしつけの最後の日、深夜にこっそり口にした大人たちの秘密の夜食。高校時代にたった一日だけお昼を一緒に食べた、風変わりな友達がわけてくれたお出汁。結婚前にやっと母に感謝を伝えられた日、伝授された炊き込みご飯。夫の昔の恋人を想像しながら一人で啜る、夜のラーメン。なんでもない日常の中で浮かび上がる、色鮮やかなショートストーリー13話+作中に登場する料理の作り方を収録した、心温まるレシピ物語集。 レシピ監修:杉本史織
内容説明
疲れた日も、何でもない日も…頑張るあなたに贈るごほうび小説。お出汁のようにじわっと沁みる、温かな13の物語。今から作れる美味しいレシピつき。
著者等紹介
柊サナカ[ヒイラギサナカ]
1974年、香川県生まれ。日本語教師として7年間の海外勤務を経て、2013年「このミステリーがすごい!」大賞の隠し玉『婚活島戦記』でデビュー
杉本史織[スギモトシオリ]
1981年、北海道生まれ。薬剤師として製薬会社に勤務。二児の母。第一子出産後ににんべんだしアンバサダーになり、第二子出産後にFMやまとで番組の担当を開始。2022年から「おだしdeごはん」のコーナーでにんべんだしアンバサダーのレシピを紹介している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
136
温かいご飯、食べ物をテーマにした13編からなるショートショートです。ほっこりとした話を書かせたらピカイチの柊さんなので、やはり読んでいて安心ですね。食べ物の描写が秀逸なのはもちろんですが、そこにさりげなくさらりと人情物語を綴る作者さんのステキな構成に脱帽ですね。ボリュームが少なめなのがちょっと残念ですが、でもきっとこのボリュームだからこそ、サクサク読めてスッキリできるのかもしれません。とにかく出てくる食べ物がどれも美味しそうで空腹時に読むコトはあまりオススメできませんね。柊さん、本当にごちそうさまでした。2025/03/29
ぶんこ
68
鰹節で作った出汁の美味しさは長年味わってきましたが、歳とともに作る気力が失せ、今はインスタント。そんな時に読んだので、また出汁を作ってみたくなりました。紹介されているお料理も割と簡単に作れるもので、レシピもあってよかったです。2025/06/26
Ikutan
62
食にまつわる13の掌編と美味しそうなイラスト付きレシピ。掌編なのでサクサクとあっという間に読めて、ほっこり心が温まります。使われているのが、白だし、かつお節、つゆの素とお出汁の効いたメニューばかりだったのは、にんべんだしアンバサダーが監修、レシピの考案をしているからだったんですね。かつお節から丁寧に取ったお出汁は、もうそれだけでごちそうだなと思います。ゆるく人物が繋がっているところもあるのが嬉しい。ちょっと疲れた身体や心をじんわり癒してくれる優しい一冊です。2025/07/10
Karl Heintz Schneider
56
食」にまつわる13人の物語なんだけど、どの話にも必ずかつおぶしや出汁が出てくる。巻末の著者紹介のところに著者と並んで、もうひとり「にんべんアンバサダー」の名前が。どうりでその手のレシピばかり出てくるわけだ。恐らくにんべんがスポンサーなんだろうけど、ここまで露骨にやられると正直言って興ざめ。肝心の話の内容が頭に入ってこなかった。柊サナカさんは「天国の宅配便」シリーズの他にも素晴らしい著作があるだけに今回はとても残念。次作に期待ということで。2025/06/02
ひめか*
53
サクッと読めて、美味しい料理とともに心がほんのり温かくなる短編集。レシピも載っていて美味しそうなものばかりで作りたくなる。いつも出来事と隣り合わせにある料理。秘密の昼ご飯:体育館の観覧席で出会ったココア、かっこ良くて忘れられない日になった。夫の寝言:夫の寝言に一喜一憂してしまうの可愛い。不安になるのもわかる。二人の草と草:20年来の付き合いの男女、進展がないけど良い関係で好き。なんのために生きる:父と娘にほっこり。肉豆腐はこれから先も思い出すのだろうな。停電の夜:停電しお隣さん同士での闇鍋。楽しかった。2025/07/10