出版社内容情報
SNSにも心に刺さるちょっといい話がある。新時代の小説家が贈る全編新作アンソロジー。麻布競馬場『#ネットミームと私』、柿原朋哉『#いにしえーしょんず』、カツセマサヒコ『#ウルトラサッドアンドグレイトデストロイクラブ』、木爾チレン『#ファインダー越しの私の世界』を収録。炎上はしない物語がここにある。やっぱりSNSっていいよね――読後、新たな気持ちでスマホを開きたくなるやさしさに溢れた四篇。
内容説明
インスタ、X、ユーチューブ、タイムラインを流れる日々に疲れてしまっても、あなたを救う物語がある。心に刺さるSNSのいい話。新時代の小説家が贈る全編新作アンソロジー。ネットミームとなった田舎道で中指を突き立てる少女の写真。その裏に確かに存在した「彼女」の物語とは?(「#ネットミームと私」麻布競馬場) 26歳フリーター、独身女子。ヲタ活の資金集めのために出来心で二次創作絵を販売したら…。(「#いにしえーしょんず」柿原朋哉) ストーカーに襲われてピンチの私を救ったのは、最強だった高校時代の文化祭のテーマ。友達の悲しみも今の私もぶっ飛ばせ!(「#ウルトラサッドアンドグレイトデストロイクラブ」カツセマサヒコ) サブカル女子をこじらせていた私。かつてインスタに投稿した写真に元カレが「いいね」を突然つけて…。(「#ファインダー越しの私の世界」木爾チレン)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はにこ
61
あまり期待していなかったけど何か良かった。今を生きる人々のリアルを感じた。言葉がバズるきっかけってこんなふうに生まれるのかなとか思う作品があった。最後の話は刺さったな。今に不満があるわけじゃないけど、若い時の自分を思い出すことってあるよね。あの時一緒に過ごした人々に想いを馳せた。2024/07/21
rosetta
30
★★★✮☆麻布競馬場さんだけ読んだことがあった。四人の若手の作家さんによる短編集。誰がどう企画して、このタイトルにどういう意味があるのだろう?オジサンには分からないが中身は予想以上に面白かった。サブカル、ヲタク、黒歴史がギュッと詰め込まれた四篇。「#ネットミームと私」「#いにしえーしょんず」「#ウルトラサッドアンドグレイトデストロイクラブ」「#ファインダー越しの私の世界」文章も若々しくて読みやすいけど、最後の話で、死んだようにいびきをかいて眠る、ってのはちょっと違うと思う2024/05/28
まぁみ
24
いかにも令和の若者の物語。どの話もベースはネット社会だけど、人間模様をリアルに描いた作品ばかりだ。あ、カツセさんのはSNSとかとはちょこっと違うかな(笑)。登場人物たちみな、血が通っている感じが心地よかった。四人の作家さんがとても上手。若者向きかな、と敬遠していた自分に喝です。チレンさんが好き。2025/01/08
iku
13
今やSNSは身近な存在でもあり欠かせないツールであり、その反面SNS疲れという言葉を耳にしたり、見えない相手からの誹謗中傷など、その弊害も少なからず感じるのが正直なところ。こちらはSNS時代を生きる若者とその感情が4人の若手作家さん達の瑞々しい感性で切り取られ、SNSがあったからこそ生まれた感覚や良さ、繋がりなどSNSを通しての優しい世界が描かれておりどの作品も読み心地が良かった。 木爾チレンさんの作品は特にタグの存在が光っており今の子の感覚により近いのかな。 全編を通しなかなかに秀逸な短編集でした。2024/05/15
ペコー
8
読了。図書館の新刊コーナーにあったので借りた本。アンソロジー。あまりにも面白く一日で読めた。収録されている『ウルトラサッドアンドグレイトデストロイクラブ』の雰囲気がとても好きだった。2024/07/14
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- 和書
- 自画像との対話