出版社内容情報
日西新聞に中途入社して政治記者になった国枝裕子は編集局長からの特命を帯びていた。それは長年にわたり永田町を裏から操ってきた上席編集委員の木澤行成をメディアから退場させること。木澤は総裁選の投票を操り、国会議員の不祥事を揉み消し、政治家の弱みを握って思うがままに政界を動かしてきた。新聞記者でありながらキングメーカーとして暗躍する昭和の負の遺産を、若き女性記者が討ち取る――。昭和VS令和、迫真の永田町エンタメ小説!
内容説明
日西新聞に中途入社して政治部に配属された国枝裕子は編集局長からの特命を帯びていた。それは上席編集委員の木澤行成をメディアから退場させること。木澤は民自党総裁選の投票を操り、国会議員の不祥事を揉み消し、政治家の弱みを握り、30年以上も政界を動かしてきた。新聞記者でありながらキングメーカーとして暗躍していることをもはや看過できない。昭和の負の遺産を若き女性記者が断ち切る時が来た。元新聞記者の著者だからこそ描けた痛快永田町エンタメ小説。
著者等紹介
本城雅人[ホンジョウマサト]
1965年、神奈川県生まれ。明治学院大学卒業。産経新聞社入社後、スポーツ紙記者として活躍。2009年『ノーバディノウズ』が松本清張賞候補となりデビュー。17年『ミッドナイト・ジャーナル』で吉川英治文学新人賞を受賞。18年『傍流の記者』で直木賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
266
永田町の蜃気楼と呼ばれた日本政治の闇のフィクサー、木澤行成が新聞社の政治記者として政治家に近づき裏側から操って政治を動かしてきた暗部の汚れた手口を描く架空の政治エンタメ小説ですね。本書には木澤は別として現実の与野党を、民自党・民友党と名を変え大物政治家の名前を別名に変えて一部現実の政治の出来事が書かれているらしいですが私は政治に疎くて殆ど理解できませんでしたね。自信を持って確信できたのは存在感抜群の田中角栄さんぐらいでしたね、まあ政治の歴史に詳しい方ならモデルが誰だとお判りになり非常に楽しめるでしょうね。2023/04/20
starbro
202
本城 雅人は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 “渡邊恒雄”をモデルにしたような剛腕の政治記者小説、興味深く読みましたが、実際は、もっとドロドロとした魑魅魍魎の世界だと思います。 https://colorful.futabanet.jp/articles/-/20532023/08/14
ゆのん
77
政治家を陰で操る新聞記者ーマスコミの影響力は政治家にとって大きいとは思っていたが、こんな事が本当にあったならと考えるとますます政治に嫌気がさしてくる。『政治がまともに機能しないと国が駄目になる』と熱意溢れる新米記者が『永田町の蜃気楼』と言われるまでの経過、何か思惑のありそうな女性記者とその上司。読みどころ満載で面白い。政治に疎い私でも分かる様な実在した大物政治家を思わせる登場人物も興味を唆る。政治に興味の無い人でも楽しめる仕上がり。2023/04/24
まつうら
68
読売新聞の名物政治記者だった渡辺恒雄をモデルとした作品と聞き興味を持った。読み進めていくと、海老沢が中曾根康弘で、阿久津が石破茂らしく、ははあ、なるほどと思ったが、主人公の木澤は渡辺とはどうも違う感じ。政治家の懐に入るのが巧い敏腕記者で、政治家をアゴで動かすような尊大さは感じない。後半では裏の情報屋に手を染めていくが、そんな法的リスクをおかしてまで、キングメーカーになる理由は何なのか、動機づけがいまいち腑に落ちない。同じ渡辺恒雄でも、山崎豊子「運命の人」に登場する山部一雄はカッコよかったのだけどなぁ。2023/08/27
雅
64
一国の首相を創り出すフィクサー。昔は存在してたかも知れないけど流石に今は無い、と思いたい2023/06/11