出版社内容情報
岡部えつ[オカベ エツ]
著・文・その他
内容説明
緑川千春、広告会社のデザイナー。37歳になり、不本意な退職をして経済的に逼迫、身勝手に思える恋人とはギクシャクし、すでにフリーになった後輩には仕事で先を行かれている。八方ふさがりのなかで、過去と向き合いながら、必死にもがき、また顔を上げる。こんな不安ばかりの暮らしとはサヨナラした、未来をつかむその日に向かって。
著者等紹介
岡部えつ[オカベエツ]
1964年、大阪府生まれ。群馬県育ち。2008年に第三回『幽』怪談文学賞短編部門大賞を受賞し、翌年に受賞作を表題とした短編集『枯骨の恋』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
55
37歳のOLが主人公。仕事も恋愛も上手くいかず苦悶する毎日だが、一軒のバーで様々な人たちと出会い、次第に自分の生き方を見つけて成長していく。主人公のきつめの性格もあって結構ヒリヒリとする描写が続く。作品の雰囲気は飛鳥井千砂さんっぽいかな。ラストは意外と爽やかで面白かったです。2016/07/09
もぺっと
32
37歳の広告会社デザイナーの千春は、残業代も出ない過酷な職場環境で、体調を崩しかけ退職。職探しをするが、厳しい現実と向き合うことになる。仕事や恋愛に悩みもがく日々が描かれている。それぞれに意味のある登場人物が程よく配置され、構成もうまい。初読みの作家さんで、ほとんど先入観なしで手にとったが、とても読み応えがある良作に出合った。読後感もいい。2016/07/26
keith
31
広告会社に勤める37歳のデザイナー千春。仕事もプライベートも思うようにいかずもがき苦しむ毎日。それでも何とか前へ進もうとします。旧態依然とした男尊女卑の会社、3歳年下の恋人との関係など読んでいて疲れるところもありましたが、最後は少しホッとしました。2016/07/04
TATA
26
岡部さん初読み。女性目線のお仕事小説。読み口は軽い感じだけど、中身はしっかりと重厚感もあり読ませる内容でした。日テレの水曜ドラマの原作向けの作品。ちょっと短気で損をしがちなタイプの主人公でしたが、カラっとしたとこで結果救われてる。性別も世代も違うけど僕も元気になれる読後感。日曜夜に読むには最適の一冊でした。おススメです。2016/07/10
信兵衛
25
本書からは、自分を落すのも、自分を浮き上がらせるのもまた自分自身である、という気がします。2016/07/16