出版社内容情報
ある電子部品会社の社長を殺した容疑で勾留中の容疑者が自殺を図った。この事件の真相を追う警視庁の鷺沼に、神奈川県警の刑事・宮野が声をかけた。はからずも再びコンビを組むことになった2人。前作『越境捜査』を凌ぐ長編警察小説。
内容説明
警視庁捜査一課で継続捜査を担当する鷺沼は、パチンコ・パチスロ業界の雄、飛田を訪ねる。7年前、殺人容疑で勾留中に死亡した飛田の従弟、川端の話を訊くために―。従弟とは30年近く会っていないと言う飛田だが、飛田の秘書は鷺沼に告げる。「7年前、飛田は川端に会っています」ひとつの殺人事件を端緒に、次々と湧く黒い謎。鷺沼と神奈川県警の宮野が再び手を組み真相を探るが、そこに立ちはだかるのは警察組織。知りたいのは真実だけ―。組織と犯罪に闘いを挑む刑事たちの熱い姿を描く。
著者等紹介
笹本稜平[ササモトリョウヘイ]
1951年千葉県生まれ。立教大学社会学部社会学科卒。出版社勤務後、海運分野を中心にフリーライターとして活躍。2001年『時の渚』で第18回サントリーミステリー大賞と読者賞を同時受賞。04年『太平洋の薔薇』で第6回大藪春彦賞を受賞。スケールの大きい冒険・謀略小説や、警察小説を発表する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆみねこ
74
警視庁の鷺沼と神奈川県警の宮野、それにヤクザの福富まで加わったチームで、まさに越境捜査。今回のターゲットは六本木ヒルズに住まう大富豪のパチンコ王・飛田。大金をまんまとせしめると言う結末ではなかったけれど、世のため人のために役立つという落ちは良かったですね。長いけど面白かった。2017/11/14
GAKU
58
シリーズ2作目。今回はパチンコ・パチスロ業界の大物、飛田の周辺での殺人事件と警察上層部の癒着に、警視庁捜査一課の鷺沼と神奈川県警の不良刑事宮野が再び手を組み真相を探る。さらにヤクザの福富もまたまた絡んできます。前作程のアクションシーンや鷺沼が窮地に陥る場面はないし、事件の真相も斬新ではありません。しかしこのようなシリーズ物はレギュラーの登場人物達のやり取りと、活躍が楽しめればそれで良いのかなと。個性豊かな登場人物達のキャラもさらに立ってきて、今回も面白く読めました。なので早速第三作を読みます! 2016/10/19
ロッシーニ@めざせ正社員
27
シリーズ第2作。まず、パチンコ業界と警察がつながっているなんて今まで知りませんでした。びっくりです。あと、鷺沼はなんだかんだ言っても宮野をほっとけなかったり、若い井上が鷺沼(や宮野)に影響されてるところが微笑ましいですね。2013/09/30
まつじん
16
前作よりスケールダウンした感じがします。なんとなく展開が見える内容、オドロキの少ない動機とオチ、う~ん新作を読んだ気がしなかったです。業界と警察の癒着の問題への切り込みはなんか靴の上から足を掻いているようなもどかしさが残りました。2010/09/11
くまんちゅ
15
警察も所詮は腐った官僚組織の一つということか。とにかく悪党がたくさん出てくる。宮野や福富がまだいいやつに思えてくるほど。自分はパチンコをやったことがないので換金システムなどはそうなっているのかと、はじめて詳しく知った。利権あるところには腐敗ありといったところでしょうか。2010/06/21