内容説明
宮崎駿の初監督作品「未来少年コナン」の原作となった本。人類が滅ぶような大洪水で大きく変わってしまった社会をけんめいに生きぬくコナンと少女ラナの感動の物語。
著者等紹介
内田庶[ウチダチカシ]
1928年、東京に生まれる。少年文芸作家クラブ理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tadashi_N
32
テーマの重さが児童文学を越えている。コナンの原作というより原案。宮崎駿は偉大。2020/06/25
洋書好きな読書モンガー
22
アニメ未来少年コナンの原作だけどアニメより少年少女の年齢が上だな。青年になっている。それで今までできないと思っていた事が出来る。冷戦時代に書かれた地球を破滅させるような事件(核戦争とか自然災害とか)の後のデストピア社会で全体主義(ソ連を揶揄ってるのかな)の新社会と「権力欲」に駆られる人達、そんな嫌な奴でも迫り来る災害から助けようと忠告する「良心」の人の対比から何が大切か訴えている。未来少年コナンBD集持っているけど良く子供向けアニメに明るく描き直したな。宮崎さんすごい。2025/03/26
ぷるっちょ
21
ツイッターで「復刊ドットコムで『未来少年コナン』の原作が復刊!」と流れていたので購入。アニメの方は最近「ニコニコ動画の岡田斗司夫ゼミの解説動画」を一通り視聴済み。アニメの原作とはいったものの舞台設定が同じなだけで全く別な作品だった。モンスリーが出てこない。コナンとジムシィも仲良しコンビじゃない。津波が来たところで物語は終わっているが、アニメの方はそこからが本番。本作からアニメの展開を考えた宮崎駿はやっぱり天才だな。 2021/11/05
オサム兄ぃ
19
宮崎駿が演出したアニメ「未来少年コナン」原作と知っていたが、入手困難が続いて読み損ねていた。その本に今読むのは、気候変動など人間活動の限界を意識することが多く、経済成長以外の価値観を考えている時に、穏やかなハイハーバーの暮らし思い出したからだ。ところが、原作が描くそこは貧しく行き詰まった社会であった。それでも科学技術独裁体制のインダストリアと共に、重苦しい支配するデストピアの両面が描かれていて、印象的だ。核戦争後の世界をシミュレーションして、若い世代と共に東西冷戦時代を考える、良くできた作品だと思う。2021/11/26
林檎依存症
18
戦争で二つの大国が磁力兵器を使ったことで、地球の地軸が狂い、地震や大津波が発生。結果、世界中の人間が死んでしまう。生き残った人々はいたが、一部は世界を支配しようとし――。未来少年コナンの原作。アニメを知ってると寂寞感が凄い!おじいがいないなんて…><孤島に取り残された後に捕虜となったコナンとハイハーバーで暮らすラナが再会するまで。彼の生命力と彼女の忍耐力。津波がくるのに中々逃げない人には現実味が…。「困ってるときには、お互いに助け合うのは、全ての人間の義務だ」という先生の言葉が印象的。後日談欲しかったな…2013/03/31