内容説明
一人の女が幼い息子を残して消えた。失踪の鍵を握る男の子供が誘拐される。交錯する失踪と誘拐―。心の全てが見えた時真相が明らかになる。欠けていた月がやがて満ちるように…。
著者等紹介
新野剛志[シンノタケシ]
1965年東京生まれ。立教大学社会学部卒業後、旅行会社勤務を経て99年『八月のマルクス』で第45回江戸川乱歩賞を受賞
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感想・レビュー
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ga-ko
8
ものすごく思い宿題を抱えた感じ。もし知らない人が事故に巻き込まれた時、自分が通報して会社を遅刻することになったら・・。大事な会議、商談、試験?そういえばいつも時間に追われ面倒なことは避けたくなっている。いつから自分はこんなせっかちになってしまったのか?今の日本の問題でもあるな、と感じた。2015/03/15
Tom Num
2
タイトルと表紙から想像していたほっこり系の物語とはかけ離れた物語でした。キャバクラのスカウトマンが子供を置いて失踪した店の女の子の行方を探すうちに誘拐事件に巻き込まれる物語。最初店の女の子を探してたのは分かるんですが、店の女の子の子供を引き取って育てると言い出したり、その後あまり関係ない誘拐事件に自ら首を突っ込んで行く主人公。理由が分からなくて宇宙人を見ている気分。入り組んでいる謎も真犯人も犯人の動機も理解出来るのですが主人公だけが謎です(笑)主人公を駆り立てる動機がしっかりしていればもっと楽しめたかな。2017/08/29
しぇるぱ
2
主人公はキャバクラのスカウトマン、売れっ子のキャバクラ嬢が子供を残して消えてしまう。行方を探して、客を訪ねてみると、そこの家の子供が誘拐された気配がある。子供は腎臓透析をしている子で、はやくみつけないと命にかかわる。導入部のスカウトマンのお仕事、このように仕事していくんだよ、ものすごく有効なツカミで、ぐいぐい引っ張っていきます。往々にして、ツカミが素晴らしいのに、結末が竜頭蛇尾、なんてことがありますが、そんなことはない、意外な結末で、驚くことになります。2010/08/16
風船
1
おもしろく読んでたんだけど、終わり方がむなしい。 優しそうなじいさんが悪者で、体調悪くても走り回って頑張ったのに、弱さを指摘されて離れていかれて。 仕事としたら、スカウトして面倒を見るというのは、むいているのかな。 この弱さというか、依存させたい心理は、育ちからくるんであろう。埋められる日がくるといいな。 2018/01/04
いもぷ
1
う~ん、主人公が事件解決に奮闘する原動力がなんか弱い感じ。被害者家族の白石さんが簡単に人を信用して誘拐事件の片棒を担ぐとは思えないし。2011/02/01