内容説明
SF作家・高橋哲哉とその妻・佐知子は友人から借りた別荘でひと夏を過ごすことになる。そこは明治末に国岡男爵が建てたという由緒正しき屋敷であった。屋敷のどこかで軋む音、何度拭き浄めても発生する黴、紛失した絵、一部分がすっぽりと切り取られた短篇集…。屋敷に漂う何かが人間の奥底に潜む狂気を徐々に引きずり出す…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
くまちゃん
14
文章の書き方が独特だった。海外の小説を訳した感じというか、アメリカっぽいノリというか。()内に書かれる本音とかも昔あったなって。内容は新しい感じではなかったですがゴシックなホラーが好きな方にはいいかと2025/05/20
ぽんすけ
12
呪われた家に住むことになった人が徐々に家に棲む悪霊のせいで狂気に吞まれていくというお話。和製シャイニングと言われていたみたいだが読んでみてなるほどなとなった。20年前の本で書き方が独特だし読みづらさもあったが、家を取り巻く陰鬱な影の存在がそこかしこに感じれて、文章の癖はいつの間にか一切気にならなくなったし、夜読んでいたためか十分怖さを楽しめたし不気味でゾクゾク感を得られた。主人公夫婦の最後は仕方ないけど渉君達まで犠牲になったのは可哀想だったな。椎名先生は怪しいと思ってたなら彼らだけでも助けてほしかった。2025/09/24
とみぃ
8
当地日本人バザーで入手。”館ものホラー”なのでしょうが、残念ながら、全く怖さが感じられず、読み始めるとやたら眠気に襲われ…なかなか進みませんでした。主人公夫婦の子供のくだりや、アル中医師の曰くあり気な診療所等、もっと掘り下げて伏線回収があるのかと思いきや、中途半端に匂わすのみだったのも残念。まぁ〜、睡眠導入効果は抜群でしたが(笑)⁈2013/10/05
かりん
6
初読み作家さん。独特な文体、静かな展開、そして終始陰湿で暗いがこの雰囲気は嫌いではない。何かに支配され知らず知らず人が狂気する様は後から「ジワリ」と来るものがある。私的には、もう少し複雑でドロッとしたものであって欲しかった気がする。2015/01/05
のりすけ
5
「お化け屋敷もの」スイスイ読めるけど()内にちょこちょこっと本音を書かれたらテンポが削がれます。和製シャイニング…と言ったら言いすぎかもですが、少なくともどっかのアホラー映画よりは面白い。2013/09/14
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