内容説明
この「静かな物語」は、日常に倦んだ心のカタルシスになる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kazu@十五夜読書会
48
フリーのカメラマン宇津木葉子、バツイチ、40歳の独身。兄の子供に振り回され、不倫相手である杉浦の妻が殺されて…。葉子の日々の様々なことにピリオドを打たされたり、打ったりしながら過ごす人生心情を非常に丁寧に淡々と描くミステリではない作品、主人公自身がファインダーから日々の日常をのぞきみるような……生活の中で起こる事件と、その事件により様々に変化していく心情を淡々と追った物語。。 2013/06/10
すたこ
21
★★★久しぶりの乃南アサ。読む人の立場によって感想が変わるような話。主人公自身が自分の小さな波のある日常や心情作品。ミステリではないので、淡々と進む話に多少飽きが来る。個人的には、主人公の葉子に感情移入したので、周りの人々にイライラしっぱなしだった。最後の志乃との電話にはスッキリ!!葉子のような叔母になりたい(笑)2014/05/09
ぶんこ
12
流産して子供が出来なかった葉子さんの寂しさとが、ヒシヒシと伝わってきました。 子持ちの専業主婦の無神経さにイライラもしました。 立場によって、読後感もかわるのでしょうね。 志乃さんからの最後の電話で、やっと言いたい事を言えた葉子さんに、よくやった、私はあなたの味方よと言って上げたい。2014/01/27
ハートランド
11
多くの人の人生には、とりたてて何が起こるというわけではないと思う。それでも、かけがえのない時は流れ、人は自分の人生にいくつかのピリオドを打ちながら進んでいく。進むしかないからこそ、振り返りたくなるのだと思う。・・・・・(乃南アサ)2015/04/10
KEI
8
本の帯に書いてあった『この「静かな物語」は日常に倦んだ心のカタルシスになる。』というキャッチコピーに納得です。主人公の心模様を淡々と綴ってあり,それが「静か」であったり,肌に張りつく様な「動かない空気」の様に感じられ,それが心地よい。こうやってたえず自分を見つめて暮らしては居ないけど,作品の中で見つめることで浄化されるような気がした。主人公・葉子は音道貴子シリーズの主人公が持つ雰囲気に似ている。2009/11/17
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