内容説明
持ちつ持たれつの関係を築く警察と暴力団。良く言えば情報網の構築となるかもしれないが、素直に言えば癒着である。なぜ彼らは繋がるのか。どのようにして彼らは繋がっているのか。警察官とヤクザを結ぶ不適切な絆を元マル暴刑事がすべて暴露する!
目次
第1章 暴力団捜査
第2章 北海道警とわたし
第3章 北海道のヤクザ
第4章 覚醒剤とわたし
第5章 クスリの実態
第6章 警察という組織
著者等紹介
稲葉圭昭[イナバヨシアキ]
1953年北海道生まれ。東洋大学を卒業後、1976年に北海道警に採用される。道警本部機動捜査隊員、札幌方面中央警察署刑事第二課暴力犯係主任などを経て、道警本部銃器対策室に銃器犯罪第二係長として配属される。暴力団捜査、銃器捜査に力を注ぐ一方で、泳がせ捜査、おとり捜査など道警の違法捜査にも関与し、自らは覚醒剤の使用や密売に手を染める。2002年に覚醒剤使用で道警に逮捕され、懲役9年を宣告される。2011年、刑期満了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しあん
15
作者のその後はどうなったのだろうかと思っていたのですが、出所後は妻子に迎えられ、孫まで産まれていたとのことです。妻が気の毒だなと当時は思っていたので、一家離散せずに良かったと思いました。作者と出会い、人生が狂った愛人のことには一切ふれられてはおらず、気の毒だなと思ったのを思い出しました。内容は、道警の内幕がここまでかというくらいに書かれていて、作られた検挙、作られた拳銃や薬物の押収には呆れてしまうくらいでした。まるっきりこの本の内容を信じるわけではありませんが。2018/01/08
よっぴー
3
今までに何冊か警察の組織的問題や捜査で生じる警察官個人の問題を書いた本は読んだが、実際にそれをやって、さらに境界まで犯して服役した本人の話はまた新鮮で、なかなかに面白かった。2015/06/05
厭世GUY
3
違法捜査(暴力団の中にさくらを作り、報酬を渡して出頭させ、拳銃の摘発件数を挙げるなど)や覚醒剤の密輸を繰り返し、終いには覚醒剤使用で逮捕された北海道警の警部補(係長)が、懲役9年の刑期明けに書いた暴露本。適正捜査では達成できないノルマが課されているなど、違法捜査を誘発するような組織の構造やその矛盾点を指摘し、警察組織の在り方についての問題提起をしている。国家公安委員会による00年からの「警察改革」で警察組織内部の浄化が執拗に謳われるようになって久しい今現在、違法捜査はどのくらい残っているのだろうか。2015/05/22
湘南☆浪漫【Rain Maker】
2
生々しい違法捜査の実態…。 事実は小説より…という感じが物凄い(苦笑)2020/04/13
うらじ
2
道警腐敗の暴露本。ヤクザにお金を渡してヤラセ出頭で点数稼ぎ、ヤラセの見返りで薬の密輸を見逃す、上が捜査費を着服してるので現場の捜査官は私費で捜査するしかなく薬物を密売し捜査費を工面など、頭がおかしいエピソードばかりで唖然。刑事ドラマなどで描写される腐敗なんて比較にならないレベルの実態で、心底事実は小説より奇なりだなと思う。全国津々浦々で似たような腐敗があると思うとゾッとするしかない。2016/02/14