感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
帽子を編みます
50
図書館で目があって手に取りました。表紙の少年の表情を見たら借りずにはいられません。なんと1976年初版の本です、普通に本棚に並んでいるのがすごい。黒人の少年の思いがけない1日の出来事を描いています。自分は本当は王子で優しい両親が迎えに来てくれる。でも、彼もわかっているのです、それはただの夢なのだと。そのぼんやりした現実との境目が、不良に捕まり、犯罪に加担させられるという強烈な体験から逃れることで、少しくっきりします。最後は母に会えますが、思っていたより小さい、白い服ではない母。不思議な味わいの本でした。2021/04/26