出版社内容情報
一世を風靡した食の雑誌(昭和26〜43年)全巻から、忘れがたい味覚に伴う人生の折々を語る、珠玉の随筆129編を精選、全3巻にまとめる。第1巻は司馬遼太郎氏らの作家篇、第2巻は小林秀雄氏らの学者・評論家篇、第3巻は團伊玖磨氏らの諸家篇と充実の豪華執筆陣。
内容説明
誰もが無関心ではいられない「食」。生きるためには食べることが必須であり、食べればおいしい、まずいの味覚がともなう。生命の維持にも関わる深刻な局面での「食」から、ちょっと贅沢に美味・珍味を楽しむ「食」と、そのシーンはさまざまあるが、「人間」が露呈するときでもある。本書は、学者・評論家篇。多士済々の著者群がおのおの興味深い話柄をひっさげ、「食」にまつわる人生の一断面を語っている。
目次
わが酒も終りぬ(池田弥三郎)
酒と恩師と学会(伊吹武彦)
わが家の新年宴会(鈴木力衛)
心を洗う酒(池島信平)
酒の上菓子の上(荒畑寒村)
乳と蜜の流れる地(笠信太郎)
ホーム・グラウンドの味(福田恒存)
何を食べよう(松岡洋子)
船旅のすすめ(桶谷繁雄)
飢えは最善のソースか(石川欣一)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shin
3
2巻は章までは区切っていないが、いくつかの主題ごとにまとめられて、これまた心に沁みる食のエッセー集になっている。主題は酒、懐かしの味、旅情、外国の食文化、という感じ。個人的には前半の酒と記憶の味のところが何とも言えずに心地よかった。酒、食は〈書くこと〉と不即不離なのではないかと思える。外国の食文化のパートは洋行帰りの鼻に付く文章ばかりだが、これもまた昭和初年の〈気分〉の記録だと思って読めばそういうものかな、と。2013/10/21
醗酵
1
第二巻は学者・評論家篇とのことであるが、体験から綴られる食に関する文章はやっぱり面白い。お酒の話、戦中にジャングルで食べたものの話、海外で食べたものの話等々、あまカラという小さな雑誌のエッセイなのでサラリと書かれてあるが、それぞれの体験に触れるようで内容はとても濃い。2015/03/19
のんき
0
食の雑誌「あまカラ」からのエッセイ抄録の学者・評論家篇。42人の文章が載っているのだけれど、文章の癖といい題材の扱い方といい、まさに学者評論家の文章だって感じで面白かった。2010/11/27
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