内容説明
新人看護師の美山可奈は、院内を巡回中に霊安室に安置されている遺体の「…た…す…け…て…」という声を聞いてしまう。精神科の主治医・桂川頼子から、その遺体は病棟で起きた殺人事件の被害者・矢野瑞希のものであり、殺人事件の犯人はいまだ捕まってないと聞かされる。廊下で見た警備員の幽霊、無表情の看護士たち、ロビーで聞いた不気味な笑い声、矢野瑞希の隣室にいた車椅子の少女・アリサはこの殺人事件の秘密を知っているかのように見える。そんなある日、女医・頼子の机の引き出しから、白いタオルに包まれた血まみれの電気メスを発見してしまう。病棟を覆いつくす得体の知れない暗い闇。そして、この暗い闇の奥深くへ飲み込まれていく可奈。一体この闇の正体とは…。表題作を含む十二本の怪異譚を収録。
著者等紹介
福谷修[フクタニオサム]
ホラー、ミステリーを中心に映画監督、小説家、ゲームクリエイターとして活動。作家としては『渋谷怪談』(竹書房)でデビュー後、ホラー小説を中心に活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夢追人009
119
福谷修さんの10作目となる中編表題作と短編11編を収めた作品集はデビューから7年を経て確実に成長したと実感できる圧巻の内容でしたね。『心霊病棟~ささやく死体~』二十歳の新米看護師・加奈は深夜勤務で偶然に病院の地下の霊安室に降りて行き死体を入れた袋が何やら囁く現象を目撃してしまう。本編は複雑なストーリーですが、最後にあっ!と驚くどんでん返しが用意された本格ホラー・ミステリーですので意外な仕掛けを存分に楽しめますよ。『カラオケ』女友達3人で入ったカラオケ店で一人が錯乱して襲い掛かり料理の中央には友人の生首が!2020/06/21
のりすけ
15
どんでん返しホラー。中編一本と短編でお得感。短編の方が面白かったかな。こちらも積読発掘中に出てきたもの。 2023/01/17
Spok
5
うーん、表題作は今ひとつ。展開は早いがこんなに引っ張れるほどの内容でもない気がする。短編はテンポよく面白く読めた。2016/05/10
タカシール
4
表題作『心霊病棟 ~ささやく死体~』の他11編の短篇が収録されている。先に『心霊病棟』の映像化されたものを観たが、内容は同じ。『心霊写真部』は少し違っていたので期待していがのだが。福谷ファンとしては、『心霊写真部』の続編を期待していたのだけど・・・2014/11/26
さといも
2
★★★☆☆