出版社内容情報
宇和島の米穀商の息子として産まれた油屋熊八は、株で財を成すも日清・日露戦争後の株の動向を読み誤って大損し、財産を失う。再起を懸けたアメリカ渡航でも成果は得られなかったが、四十八歳にして大分県別府で宿屋を始めたときから、熊八の第二の人生がスタートした! 地元の反対や資金あつめなど、様々な困難を「万事オーライ」の精神と柔軟なアイディアで乗り越え、仲間や妻とともに別府温泉を日本一へと導いた実在の人物を描く歴史長編。
内容説明
愛媛県宇和島の米殻商の息子として生まれた油屋熊八は、株で成功するも、その読みを誤って財産を失う。再起を懸けたアメリカ渡航でも成果は得られなかったが、四十八歳にして大分県別府で宿屋を始めたときから、熊八の第二の人生がスタートした!地元の反対や資金集めなど、様々な困難を「万事オーライ」の精神とアイディアで乗り越え、仲間や妻とともに別府温泉を日本一へと導いた人物を描く歴史長編。
著者等紹介
植松三十里[ウエマツミドリ]
静岡市出身。東京女子大学史学科卒業。出版社勤務、7年間の在米生活、建築都市デザイン事務所勤務などを経て、作家に。2003年に『桑港にて』で歴史文学賞、09年に『群青 日本海軍の礎を築いた男』で新田次郎文学賞、『彫残二人』(文庫化時に『命の版木』と改題)で中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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たか
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大きな仕事を成し遂げていく人の、あふれるアイデアや決断力が感じられる作品は読んでいて気持ちの良いもの。油屋熊八という人物に興味が湧いた。 しかし、夫の借金を妻のユキが支える。不貞も飲み込んで尽くす。それが妻の鏡であるかのような時代の小説を読むと現代人の自分は、悔しく感じ、別府の発展に貢献した熊八であってもがっかりしてしまう。 決してこの作品が悪いわけではなく、古い日本の男尊女卑な体質に苛立つのと、令和の今でも「支える」とか「控えめ」といったような形容が美化され、まだしつこく残っていることに怒れてくる。2025/05/12