出版社内容情報
鉄道マニアの公務員・小日向巧はある日、廃駅で立ち入り禁止となっている地下鉄銀座線萬世橋駅へと潜り込む。そこで出会ったのは、政府の“ある事情”により地下で生活する謎の集団「エクスプローラー」だった。その集団内で起こった殺人事件をきっかけに、小日向は捜査一課と公安の対立も絡む大事件に巻き込まれていき……。エクスプローラーが抱える秘密とは? 殺人犯は誰か? 東京の地下で縦横に展開するノンストップミステリー!
内容説明
鉄道マニアの公務員・小日向はある日、廃駅で立ち入り禁止となっている地下鉄銀座線萬世橋駅へと潜り込む。そこで出会ったのは、政府の“ある事情”により地下で生活する謎の集団「エクスプローラー」だった。その集団内で起こった殺人事件をきっかけに、小日向は捜査一課と公安の対立も絡む大事件に巻き込まれていく…。エクスプローラーが抱える秘密とは?殺人犯は誰か?東京の地下で縦横に展開するノンストップミステリー!
著者等紹介
中山七里[ナカヤマシチリ]
1961年、岐阜県生まれ。2009年、『さよならドビュッシー』で第8回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2010年1月デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イアン
152
★★★★★★☆☆☆☆廃線となった地下空間を舞台とした中山七里の長編。鉄道オタクの公務員・小日向は興味本位で潜入した地下の廃駅跡に巨大なコミュニティを発見する。やがて一人の女性が遺体となって発見され…。都市伝説的なSF作品かと思いきや、意外と社会派なサスペンス。発端となった「事故」と後遺障害は許せても、その後の隠蔽はさすがにリアリティを欠く。フーダニット要素を入れるなら事前にヒントを開示すべきだし、彼らが地下生活に甘んじる理由も腑に落ちなかった。むしろリアリティ度外視のSF路線に振り切るくらいでもよかった。2023/05/01
ケイ
95
弱者は時にとても怖い存在になるとは、確かにそうだ。主人公が職業的倫理に悩み流されていきそうに見えながらも、変に女に優しくなく、結局は情に流されすぎない点がとても良かった。東京の地下だけでなく、全国に、全世界に、もう幽霊となった駅があるのだと思うと、その暗い存在をとても怖く思う。肝試しのトンネルより怖いわ、きっと。そんなところでわたしは数時間も過ごせないから、この人達の世界が哀れに思えてしかたなかった。2023/12/16
H!deking
87
久しぶりの中山さんノンシリーズもの。これもサイン本見つけたので即ゲット!廃駅マニアの小日向くんが廃駅探索していたら、そこには100人からなるのコミューンが!的なお話。いやー面白い!よくここまで膨らませられるな。2022/09/21
キナコ
73
鉄道ものって初めてでちょっと苦戦した作品。ミステリーというよりも、脱出をメインとしたサスペンスかな。自分の趣味をいかし、ヒーローへの道を進もうとする主人公はカッコ良かった。自分の利益をすてて、他者に尽くすって現実では難しい部分があるからこそ楽しめたかな。2024/04/29
sin
66
さて舞台がニューヨークなら地下鉄の闇に巣くう喰死鬼が跋扈するホラー!一方モンゴルでは現実に孤児たちが寒気を凌ぐために下水道に住むと云うノンフィクション!だが日本で地下鉄の構内に住む集団となると何やら社会を逃げ出した落伍者の様に思われる。しかしこの物語では国の都合で隠蔽された国策事業の失敗による事故の犠牲者たち…国家はその時の政府の都合で動く(世界に紛争が絶えないのも宜なるかな)ひょんなことから関わりを持ってしまった鉄オタの主人公は果たして追い詰められた彼らを救うことができるのだろうか?2022/10/11