出版社内容情報
中国の南シナ海や東シナ海への海洋進出を、多くの国が懸念し、批判しているが、なぜ中国は各国に批判されながらも、そこまで海洋進出にこだわり続けるのだろうか。そうした動きも、海洋の地政学で分析してみると、実はかなりクリアに問題を整理することができる。
本書は、海洋の地政学を踏まえて、フェニキア海洋帝国、ポルトガル海洋帝国、イギリス帝国、アメリカ帝国の4つの海洋帝国を中心に、世界史を読み解くものである。
「カルタゴの地中海ネットワーク」「冒険商人が主人公のインド洋」「オランダの台湾支配と戦った密貿易商人団」「百年間で形成されたイギリスの海洋帝国」「シー・パワーへと転換するアメリカ」「南シナ海・台湾・尖閣諸島での紛争」……、古代から現代までを概観。海洋の地政学で見ると、覇権の流れがよくわかり、世界史とニュースがこれまでとは違ったものに見えてくる。
文庫書き下ろし。
内容説明
世界史とニュースの見方が変わる!フェニキア海洋帝国の覇権から台湾・尖閣諸島の問題まで。
目次
第1章 地政学で世界と世界史が読み直せる―現代世界は海上の航路と「拠点」を結び付ける組織から成長した
第2章 地中海の最初の海洋帝国―シー・パワーのフェニキア帝国とランド・パワーのローマ帝国の争い
第3章 海洋的インドと大陸的中国―インド洋のなかのインドと遊牧民との激しい戦いを続けた中国の歴史性の違い
第4章 遊牧帝国と共存したインド洋の商人世界―二つのペストのパンデミックの間に興隆した巨大な遊牧帝国とインド洋交易
第5章 北から膨張したヴァイキング世界―寒冷の海から広がったネットワーク
第6章 大航海時代と大西洋―東周りのポルトガルと西に直進したスペイン
第7章 海の帝国ポルトガルとオランダ東インド会社―インド洋の海洋帝国とオランダ東インド会社
第8章 活性化する東アジアの海―東アジアの大交易時代と明の密貿易商人の活躍
第9章 第三の海洋帝国イギリスの世界支配―海から世界を制覇したシー・パワーのイギリス
第10章 海の世界秩序を根底から組み替えたアメリカ―新大陸のランド・パワーが世界の海を管理する海洋帝国に転身
著者等紹介
宮崎正勝[ミヤザキマサカツ]
1942年生まれ。東京教育大学文学部史学科卒。筑波大学附属高校教諭、筑波大学講師、北海道教育大学教授などを経て、現在はNHK文化センター等の講師として活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shunsuke
Go Extreme
-
- 和書
- 悪魔の壁画 集英社文庫