PHP文芸文庫<br> いやし―“医療”時代小説傑作選

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いやし―“医療”時代小説傑作選

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  • サイズ 文庫判/ページ数 336p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784569901442
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0193

出版社内容情報

シリーズ累計25万部突破!
ひと癖あるけど頼りになる、江戸の名医が勢ぞろい!
町医者、歯医者、小児医、産婦人医……命を救う者たちの戦いと葛藤を描いたアンソロジー。

藪といわれる小児医の三哲は、娘とともに高熱の子供の診療に出向くも薬を処方せず、追い出されそうになるが……「藪医 ふらここ堂」(朝井まかて)、口中医の桂助のもとに、姫君の虫歯治療の依頼が来る。医者嫌いの姫君のため、呉服屋に扮した桂助だったが思わぬ事件に巻き込まれ……「菊姫様奇譚」(和田はつ子)他、書き下ろし作品「仇持ち」(知野みさき)など、江戸の医師たちを描いた五編を収録した短編集。

内容説明

藪といわれる小児医の三哲は、娘とともに高熱の子供の診療に出向くも薬を処方せず、追い出されそうになるが…「藪医 ふらここ堂」(朝井まかて)、口中医の桂助のもとに、姫君の虫歯治療の依頼が来る。医者嫌いの姫君のため、呉服屋に扮した桂助だったが思わぬ事件に巻き込まれ…「菊姫様奇譚」(和田はつ子)他、書き下ろし作品「仇持ち」(知野みさき)など、江戸の医師たちを描いた五編を収録した短編集。

著者等紹介

朝井まかて[アサイマカテ]
1959年、大阪府生まれ。2008年、『実さえ花さえ』(のちに『花競べ 向嶋なずな屋繁盛記』に改題)で小説現代長編新人賞奨励賞、13年、『恋歌』で本屋が選ぶ時代小説大賞、14年、同書で直木賞、16年、『眩』で中山義秀文学賞、18年、『雲上雲下』で中央公論文芸賞、19年、『悪玉伝』で司馬遼太郎賞、21年、『類』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞

あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年、岡山県生まれ。青山学院大学文学部卒業。97年、『バッテリー』で野間児童文芸賞、99年、『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、2005年、『バッテリー1~4』で小学館児童出版文化賞、11年、『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞

和田はつ子[ワダハツコ]
東京都生まれ。日本女子大学大学院修了。出版社勤務の後、『よい子できる子に明日はない』がテレビドラマの原作となり注目される

知野みさき[チノミサキ]
1972年、千葉県生まれ。ミネソタ大学卒業。2012年、『鈴の神さま』でデビュー。同年、『加羅の風』(刊行時に『妖国の剣士』に改題)で第4回角川春樹小説賞受賞

宮部みゆき[ミヤベミユキ]
1960年、東京都生まれ。87年、オール讀物推理小説新人賞を受賞してデビュー。92年、『本所深川ふしぎ草紙』で吉川英治文学新人賞、93年、『火車』で山本周五郎賞、99年、『理由』で直木賞、2002年、『模倣犯』で司馬遼太郎賞、07年、『名もなき毒』で吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

167
いやし・・と細谷正充さんが編まれた5話。5人の女性作家陣の紡ぐいろんな医者がいた。『いやし』感じ方はそれぞれなのだろうなぁ。既読の作品もあったが何度読んでも良いものは好い。知野みさきさん初読みだったが面白く読んだ。続きも気になるキャラ揃いが好みだったが、なんと書き下ろし。2021/09/05

みっちゃん

158
いやし。医師が主役や重要な役割を果たす短編が5つ。さすが名だたる手練れ揃い。シリーズ中の一編でも、ぎゅぎゅっと濃縮された人間模様、流れるような筆致、細やかな描写。特に興味深い、と思ったのはお初の作家、知野みさきさんの『仇持ち』仇を持つとは?のそそられるタイトルからのキャラの立った登場人物、劇的な展開、そして胸のすく読後感。これはシリーズを追ってみたい、と思ったら何と単発の書き下ろし。シリーズとして是非、読んでみたいものだ。2022/02/27

Ikutan

84
医療小説は色々読んでいるけれど、時代小説では初めて。江戸時代でも、病気や怪我、出産や虫歯の治療など、医療を必要とする場面はあったわけで。勿論、現在とは技術も内容も全く違っていて、その辺りも興味津々。そんな江戸時代の医療現場をめぐる五つの物語は、どのお話も短いながら読み応えがあって面白かった。特に印象に残ったのは、あさのさんの『春の夢』と知野さんの『仇持ち』。どちらも主人公の女性の境遇が辛くて、どうなることかと心配したが、ラストに救われた。〆の宮部さんはやっぱり流石ですね。いつの時代も『毒と薬は紙一重』。2022/07/20

ゆみねこ

83
5人の女性作家による「医療」時代小説集。朝井まかてさん、あさのあつこさんは既読だけど何度読んでも面白い。宮部みゆきさんは回向院の茂七親分シリーズから。知野みさきさんは初読み、「仇持ち」面白かった!他の作品も読んでみたい。2022/04/30

真理そら

77
未読作品の中に知野みさきさんの書下ろしが混じっていたのでそれを目当てに購入。この石川凛モノもシリーズ化するのかな、凛が住み込んでいる医者が栗山千歳。似た名前の女優さんのせいできりっとした美人を思い浮かべてしまうが四十路の男医者だ。「寿の毒(宮部みゆき)」は回向院の茂七モノだけれど、再読してもやっぱりおきちさんがかわいそうに思えて仕方がない。「辻屋」に人生台無しにされたんだから気も強くなるし我も張るよね、この先ずっと辻屋に祟ってもアタシが許すと思う読者である。2021/08/13

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