出版社内容情報
百花繚乱の後宮で怪事件が――。
大陸から海を渡ってきた父に医術を学んだ娘・安瑞蓮【あん・すいれん】は、腕を見込まれて博多から上京。陰謀渦巻く都の後宮で、御簾【みす】の向こうの姫や女房達の身体や心の治療にあたるうち、奇っ怪な事件に巻き込まれていく。
呪詛をしたのはいったい誰なのか。次の東宮になる思いがけない人物とは。
瑞蓮と共に働くのは、若き医官の和気樹雨【わけの・きう】、ベテラン医官の石上崇高【いそかみの・むねたか】、それに加え、陰陽寮の学生・安倍晴明も現われて……。
様々な噂が飛び交うなか、若き女医(薬師)が医学の知識を駆使して事件の解明に果敢に挑む、平安ミステリー。
「平安あや解き草紙」シリーズが人気の著者による、女医を主人公にした「お仕事小説」。文庫書き下ろし。
内容説明
大陸から海を渡ってきた胡人の父から医術を学んだ娘・瑞蓮が、腕を見込まれ、京の都の後宮へ。御簾の向こうの姫や女房達の身体や心の治療にあたるうち、瑞蓮は後宮に渦巻く陰謀に巻き込まれていく。共に働くのは若き医官の樹雨、そして陰陽寮の学生・安倍晴明も現われて…。百花繚乱の後宮で起きる様々な事件に、若き女医(薬師)が医学の知識を駆使して果敢に挑む、平安お仕事ミステリー。文庫書き下ろし。
著者等紹介
小田菜摘[オダナツミ]
埼玉県出身。沖原朋美名義で、2003年度ノベル大賞・読者大賞を受賞。数々の平安物を執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
坂城 弥生
54
女性薬師のお話。彼女の信念ややり方が素敵だった。続きもありそうな終わり方だったなぁ。2021/06/15
よっち
52
大陸から海を渡ってきた父に医術を学んだ娘・安瑞蓮。腕を見込まれ博多から上京。陰謀渦巻く都の後宮で奇怪な事件に巻き込まれてゆく、若き薬師が医学知識を駆使して事件解明に挑む平安ミステリ。若き医官の和気樹雨とともに向き合うワガママ姫が苦悩する原因、若宮の元気がない理由、体調不良を訴えなかなか快癒しない女房、息子の東宮位に執着する御息所の真意。新参者なのに女御たちとの距離感がだいぶ近い感はありましたけど、安倍晴明が出てきたりもする中で、わりと冷静でサバサバした感じのリアリスト主人公・瑞蓮のありようが印象的でした。2021/05/19
はなりん
38
異国の血を引く薬師のヒロインが、平安の後宮で、病を治したり、謎を解決したりのお話。華々しい後宮の表側ではなく、後宮に関わりのないヒロインから見た後宮の裏側で起こった事なので、なんとなく地味な感じですが、ヒロインが身の丈にあった感じで、好感が持てる。若き医官の樹雨や、若き阿部晴明が出てきて、3人での謎解きが楽しそうなシリーズです。2023/03/26
あっちゃん
37
後宮は後宮でも平安の後宮(笑)恋愛要素がほぼ無く、医療ミステリと主人公のキャラでで読ませるので、最初としては面白い( ̄▽ ̄)2021/11/09
らび
35
全体的な雰囲気は「平安あや解き草紙」と変らずなので読みやすかったです。後宮のあれこれはあれど病気は人を選ばず。この時代にだってニキビもあれば更年期だってある。後宮とありますが市井の薬師のはず。でも1つ1つ治癒させ評判が上がれば女性ばかりの後宮に女性の薬師はもってこいです。幼い宮様はどうなるのか?いろいろの「その後は?」続くのでしょうか?2021/06/26