出版社内容情報
伝説の盗賊一味が現れた。画描きの拾楽が危ない! にもかかわらず、サバの大将は動かない? 江戸が舞台の謎解き人情ばなし第九弾。
内容説明
根津権現にほど近い「鯖猫長屋」に、盗賊「鯰の甚右衛門」が蘭方医になりすまし、姿を現す。相棒を探しているらしいが、狙いは元盗人で、長屋を“仕切る”猫サバの飼い主である画描きの拾楽―。主の危機にもかかわらず、サバはなぜか動かない。そんな折、歌舞伎役者の卵が長屋に転がり込み、涼太の部屋には座敷童まで現れて…。猫好きにはたまらない、謎解き&人情ばなし第九弾。文庫書き下ろし。
著者等紹介
田牧大和[タマキヤマト]
東京都生まれ。2007年、「色には出でじ、風に牽牛」(刊行時に『花合せ』に改題)で小説現代長編新人賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
初美マリン
135
更に強烈な個性の人物が新たに登場、サバと飼い主のやりとりが最高、サバ、みんなを守って。2021/01/06
タイ子
118
いろんなモノや人が次々に現れる長屋だなぁ、と9巻になってもまだ楽しませてくれるわ。今回現れたのは、まだ姿を見た人が少ないという名うての盗賊。何だか怪しくて、怖いんだけど興味津々の人物。もう一人長屋に新しく入った役者志望の男。これがまた長屋の住人を巻き込んでのひと騒動を起こす。挙句の果ては座敷童まで連れてきた。サバは見て見ぬふりかと思いきや、しっかり子分の捨楽を操っている。時折り、捨楽がサバの先行きを思ったりするとこの作品も終わりに近づいているのかなって寂しく感じたり。長屋に騒動があるうちはサバは大将だ。2021/01/14
SJW
115
シリーズ第9弾で、今回は牢屋から出てきた「鯰の甚右衛門」が蘭方医になりすまし、捨楽を狙う。また長屋に歌舞伎役者の端役が転がり込み座敷童子まで現れ騒動が起きる。今回、サバの活躍はあまり見られず、ちょっと残念だが、事件の顛末は小気味良く胸がすく思いだった。2021/06/06
ぶち
106
不気味で嫌な奴が登場しちゃいました。拾楽を自分の右腕にしようと狙う"鯰の甚右衛門"です。拾楽を闇の道に戻そうと虎視眈々と機会を覗う様が不気味です。今巻では甚右衛門との決着はつかず、シリーズの今後も闘いが長く続きそうな予感がして少し気味が悪いです。甚右衛門とは別に今回登場してきた妖は座敷童子。付いていた家のためを想っての行動が長屋の住人にとっては多大な災難に。それを救ったのがサバ。大勢の猫の子分を結集させての座敷童子との対決は見物でした。数百の猫が集まっているところなんて、自分の目でも見てみたいです。2022/04/10
雅
91
危険な香りのする新キャラが登場。毒やらなんやら中身も随分と危ない雰囲気になってきた気がする。サバの大将にはもっと活躍してもらわないと2021/02/09