出版社内容情報
天然痘と闘い続けた医師・伊東玄朴。
その「誤解」に満ちた生涯とは?
江戸で初めての種痘所設立、蘭方医で初の奥医師登用……
数々の功績は、彼のある覚悟ゆえに成し遂げられた。
佐賀の貧しい農家に生まれた伊東玄朴は、シーボルトの弟子になり、江戸参府に随行する。シーボルト事件に巻き込まれ、玄朴はお咎めなしとなったものの、義兄源三郎は獄死してしまう。江戸で医者として開業した玄朴は、当時猛威を振るっていた天然痘に立ち向かうため、種痘所の設立を決意。権力者の横槍、漢方医たちの妨害、家族の冷たい目と逆境の中、出世と金にしか興味がない男との悪評を浴びつつも、彼が貫いた決意とは。
「料理人季蔵捕物控」「産医お信なぞとき帖」で人気の著者が挑む、感動の歴史小説!
【目次】