出版社内容情報
「黒い空気」を知らない人は合理的行動で失敗する。
佐藤優氏推薦!
(作家・元外務省主任分析官)
人と組織は合理的に失敗する。とくに日本の組織において表面化するこの「不条理」のメカニズムの解明に長年挑んできた著者。その積年の研究を発展させ、経営学者、組織論の研究者としての「不条理」研究の集大成として書き下ろしたのが本書である。
失敗する組織内では、指導者たちの合理的な判断によって、「やましき沈黙」が生じる。そして、どこかに潜んでいた「黒い空気」が、いつのまにか組織全体を覆ってしまうと著者はいう。
日本の「空気」の研究においては、これまで故・山本七平氏の論が多くの読者に支持を得てきたが、グローバル化にのみこまれ、変質し続ける日本社会において、その論を超える社会・組織の分析が必要とされているなか、著者は自らの幅広い学問知識を援用してこの難題に挑戦した。
日本近代の戦史から現代の企業経営史まで、絶えることのない「不条理」現象に着眼し、最新経済学やダイナミック・ケイパビリティ論などの経営学、さらにはカント哲学を援用して、組織を汚染し、破滅に至らせる病への処方箋を、現代を生きるリーダーに向けて提示する。
悲劇の戦史からの学びを、自らの仕事・経営に生かすことを願うリーダーたちに贈る著者渾身の書き下ろし!
【本書の構成】
序章◆日本の戦史にみる失敗の真因――指導者は不条理な「黒い空気」に覆われて失敗する
第1章◆「不条理」への経済学的挑戦――戦史にみる「黒い空気」発生のメカニズムと最新経済学
第2章◆「不条理」への経営学的挑戦――ダイナミック・ケイパビリティ論とドラッカー経営論の援用
第3章◆「不条理」への哲学的挑戦――哲学者カントの「理論理性」と「実践理性」の援用
結章◆不条理な「黒い空気」に支配されないための処方箋――「理論理性」と「実践理性」の重層的なマネジメントが鍵となる
内容説明
人と組織は合理的に失敗する。とくに日本の組織において表面化するこの「不条理」のメカニズムの解明に挑んできた著者。その長年の「不条理」研究を発展させ、集大成として書き下ろしたのが本書である。失敗する組織内では、指導者たちの合理的な判断によって、「やましき沈黙」が生じ、潜んでいた「黒い空気」が、いつのまにか組織全体を覆ってしまう。日本近代の戦史から現代の企業経営史まで、この絶えることのない「不条理」現象に着眼し、本書では最新経済学や経営学、さらには哲学を援用して、組織を汚染し、破滅に至らせる病への処方箋を、現代を生きるリーダーに向けて提示する。
目次
序章 日本の戦史にみる失敗の真因―指導者は不条理な「黒い空気」に覆われて失敗する(「戦艦大和の沖縄特攻」はなぜ実行されたか;「戦艦大和の沖縄特攻」に対するこれまでの定見 ほか)
第1章 「不条理」への経済学的挑戦―戦史にみる「黒い空気」発生のメカニズムと最新経済学(不条理な「黒い空気」と戦争指導者たち;日本の戦史を「取引コスト理論」で読みなおす ほか)
第2章 「不条理」への経営学的挑戦―ダイナミック・ケイパビリティ論とドラッカー経営論の援用(ダイナミック・ケイパビリティ論による理論的解決とその可能性;ドラッカー理論と「黒い空気」支配からの回避 ほか)
第3章 「不条理」への哲学的挑戦―哲学者カントの「理論理性」と「実践理性」の援用(「理論理性」の再把握;道徳的に価値判断をする「実践理性」の再把握 ほか)
結章 不条理な「黒い空気」に支配されないための処方箋―「理論理性」と「実践理性」の重層的なマネジメントが鍵となる(「重層的マネジメント」とは何か;「不条理」の克服に向けて―戦史と現代の事例比較から ほか)
著者等紹介
菊澤研宗[キクザワケンシュウ]
1957年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。同大学大学院博士課程修了後、防衛大学校教授、中央大学教授などを経て、2006年から慶應義塾大学商学部商学研究科教授。この間、ニューヨーク大学スターン経営大学院、カリフォルニア大学バークレー校ハース経営大学院で客員研究員。専門は新制度派経済学(組織の経済学)とダイナミック・ケイパビリティ論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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