出版社内容情報
現在、欧米が生み出した資本主義や民主主義、さらには社会主義において、様々な矛盾や限界が露呈しており、いわばマイナーチェンジが求められているといえよう。本書ではそれらの行き詰まりを打破するヒントとなる取り組みや思想について、東アジアの識者、賢人に語っていただく。
第一章では台湾のデジタル担当政務委員であるオードリー・タン氏が、市民と政府が協力し、最適解をさぐって社会課題の解決に取り組む「熟議民主主義」の現在について語る。第二章では、中国SFではじめて世界規模のベストセラーになった『三体』の著者である劉慈欣氏が、現在の社会主義中国の強みと弱点を分析し、さらには人類全体の危機についてユニークな知見を示した。第三章では、いま世界のエンタメシーンを席巻しているBTS、さらにはK―POPの成功の要因を、ソウル大学校教授のホン・ソクキョン教授に伺った。
第四章ではスタートアップ企業の支援を数多く行なってきた孫泰蔵氏に、世界を変えつつあるスタートアップや、ビジネスのメガトレンドについて話を聞いた。第五章では、ソニーコンピュータサイエンス研究所のシニアリサーチャー舩橋真俊氏が、人の手で生態系を拡張させる「協生農法」の取り組みと意義について語る。最後の第六章では本書の締めくくりとして、社会思想家の佐伯啓思氏が、西洋と日本の「深層意識」について考察し、西洋近代の価値観が行き詰まりを見せている理由について根本的な論評を行う。
佐伯氏が指摘するように、西洋近代の価値観には「限界」があり、新しい世界のかたちを築くことは難しい。そのときに、私たちの足元である東アジアの価値観に目を向ける意義は大きいはずだ。実際に行き詰まりを打開する「芽」は生まれはじめているといえる。
内容説明
現在、欧米が生み出した資本主義や民主主義、さらには社会主義において、様々な矛盾や限界が露呈しており、いわばマイナーチェンジが求められているといえよう。本書ではそれらの行き詰まりを打破するヒントとなる取り組みや思想について、東アジアの識者、賢人に語っていただく。オードリー・タン氏が推進する、市民と政府が協力し合って最適解をさぐる「熟議民主主義」、複雑系の研究者である舩橋真俊氏が取り組む、生態系を拡張する「協生農法」…。さらに、ベストセラー『三体』著者、日本を代表する社会思想家などが知見を示す。
目次
第1章 台湾型「熟議民主主義」の底力―民主主義の未来(オードリー・タン(唐鳳))
第2章 最大の危機はユートピア―人類と中国の未来(劉慈欣)
第3章 日本のカルチャーが造った道路を、韓流が駆け抜けていく―エンターテインメントの未来(ホン・ソクキョン)
第4章 なぜアジアにベンチャー生態系が必要か―ビジネスの未来(孫泰蔵)
第5章 人の手で、生物多様性を拡張させる「協生農法」―生物多様性の未来(舩橋真俊)
第6章 西洋近代に未来は築けない―西洋と日本の深層意識(佐伯啓思)
感想・レビュー
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